きょう3月21日の各紙の報道の中で、私にとって最も衝撃的だったのは、産経新聞が教えてくれたケネディ前駐日米大使の次の言葉だ。
「沖縄は、日米安保体制にとって最重要の場所だ」
「(さまざまな価値観を共有している日本と米国の)日米同盟は世界で最も重要な同盟だ」
これは、外務省派遣事業で訪米している沖縄県の高校生、大学生ら20人と、3月19日にニューヨークで会談した際に発した言葉である。
この派遣事業は、在日米軍が集中する沖縄の若者を対象に、より幅広い視野で日米同盟の意義を知ってもらおうと、外務省がはじめて計画した事業であるという。
こんなあからさまな外務省の宣伝・情報操作活動に、駐日大使をやめた今でも嬉々として協力しているケネディ大使に私は深く失望した。
彼女が本気でそう思っているならなおさらだ。
私はケネディ大使が駐日大使に任命された時から、任期を終えて日本を去るまでの間、一貫して言い続けて来た。
彼女をケネディ神話の長女として日米友好のシンボルだけに終わらせてはいけないと。
日米友好のシンボルであるからこそ、辺野古移設という日米関係の負の象徴の精算の矢面に立ってもらわなければいけないと。
環境保護に熱心でイルカ保護に熱心なケネディ大使に、辺野古沖のジュゴンを守らなくていいのかと伝えるだけでいいと。
しかし、この私の提言は、届いていたかどうかはわからないが、翁長知事の沖縄も、朝日や東京と言ったリベラルメディアも、そして平和を願う市民団体たちも、見事に反応がなかった。
そして、きょうの産経新聞の記事だ。
この派遣事業は、安倍首相はもちろん、河野外相も知っているはずだ。
しかし、がけっぷちの安倍首相や、世界を飛び回るのに専用機を得る事に忙しい河野外相が、こんな派遣事業を積極的に推進している余裕などないはずだ。
これは安倍首相や河野外相の了解を取りつけたことにした外務官僚の暴走だ。
辞めた後も、お人形さんのケネディ大使をうまく利用して、何としてでも辺野古新基地をつくってみせるという意思表示だ。
何度も米国を訪問し、最近も米国を訪れたばかりの翁長知事は、ケネディ大使に会って辺野古移設を止める事に協力して欲しいと頼もうとしなかったのだろうか。
それとも、大使をやめていくらでも時間があるはずなのに、ケネディ大使は会おうともしなかったのか。
これほど政治的に重要な出来事であるというのに、なぜ、よりによって産経だけしか、この沖縄の学生とケネディ大使の会談を報じないのか。
なにもかも、デタラメだ。
沖縄は、そして国民は、本気で在日米軍をなくしたいと思っているのだろうか(了)
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