米朝対話に向けた南北両首脳の外交は、その後も留まるところを知らないようだ。
どうやら韓国特使はトランプと面会するようだ。
トランプ自身がわざわざ会うのは、韓国特使が金正恩のトランプ宛てメッセージを持ってくる来るからだろう。
あるいは親書を携行して来るかも知れない。
さらにまた、香港紙によれば、金正恩の妹である金与正の訪米派遣もありうるという(3月9日産経)
そうなればイバンカ・金与正会談も行われるかもしれない。
もはやトランプは対話しないわけにはいかなくなった。
見事な南北両首脳の外交だ。
しかし南北両首脳が見事な外交を示したのは米国に対してだけではない。
中国もまた南北両首脳に見事に出し抜かれたのだ。
今度の南北融和と米朝対話に向けた一連の動きを見て、私は中国が蚊帳の外に置かれていたのではないかと書いた。
その見立てはズバリ的中した。
中国の王毅外相はきのう3月8日の記者会見でそれを見事に認めた。
つまり、王毅外相は南北の歩み寄りを歓迎し、南北関係の改善を米朝対話につなげていくべきだと語ったが、その後に、王毅外相はこれまでの中国の貢献に言及する事を忘れなかった。
つまり北朝鮮と米韓双方が、それぞれ自制し対話環境を整える事が重要だ、これこそ中国の主張して来た「双暫定(双方一時停止)」だと自画自賛する事を忘れなかった。
この王毅外相の記者会見の模様を、きょう3月9日の読売新聞がこう解説している。
「中国は現在の対話の流れから置き去りになっている。中朝関係が悪化する中、北朝鮮は中国を無視して米韓への接近を図っている。北京の外交筋は『中国は頭越しに米朝和解が進むのを快く思っていない。対話局面が行き詰まり、中国が直接関与できる時を待っている』とみる」と。
そういう事なのだ。
南北の仲介役は中国しかない、そううぬぼれていた中国に、南北両首脳は見事に一矢報いたのだ。
南北融和は同じ民族の我々の手で成し遂げて見せると。
天晴れな南北両首脳の外交である(了)
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