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笑止千万な産経新聞の日韓首脳会談に関する作文記事

 きょう2月13日の産経新聞が「田北真樹子、阿比留瑠比記者の署名入り記事で、「平昌五輪 政治の祭典の舞台裏」という特集記事を大きく掲載していた。

 少し長くなるが、あまりにも笑止千万な記事であったので、その要旨を以下に引用したい。

 いわく、9日夕、文在寅との首脳会談を終えた安倍に会いに来たペンスに対し、「平昌五輪を北朝鮮に利用させないようにすることが大事だ、しっかりと韓国に対応させるべく連携しましょう」と安倍が言ったらペンスは深くうなずいたと。

 いわく、文在寅のレセプションに向かう準備をしていた安倍のもとに再びペンスから「もう少し話をしたいから、こちらの車で一緒に会場に行きませんか」と誘いがあり、安倍は通訳と共にペンスの車に乗ってレセプション会場に乗り込んだが、既に文在寅のスピーチが始まっていたので、安倍とペンスは会場に入るのやめ、別室でスピーチが終るのを待ったと。

 遅刻は予定通りだった。スピーチ前に撮影される集合写真に金永南らと一緒に写りたくなかったからだと。

 安倍とペンスはスピーチを終えた文在寅を別室に招き、日米韓の3人だけで写真を撮影した。3カ国の連携を絵に残る形で打ち出したいという米側の意向の表れだったと。

 いわく、ペンスはレセプション会場で数人と言葉を交わした後、5分ほどで会場を立ち去った。金永南が座るテーブルにはペンスの席も用意されていたが、ペンスは最初から北朝鮮を無視する腹積もりで、着席する考えはさらさらなかったと。

 一方、安倍とペンスは開会式までの間に2時間も一緒に過ごし、韓国や北朝鮮に対し日米の緊密さを見せつけたと。

 平昌五輪を機に、安倍―トランプ関係に加え、安倍ーペンス間にも太いパイプが築かれる事になった意義は大きい。安倍が国内の反発覚悟で訪韓した最も大きな成果かもしれないと。

 いわく、露骨な南北融和路線に冷や水を浴びせたのが、安倍とペンスだったと。二人は五輪開会式でも隣に座り、2時間以上にわたり会話を続けたと。

 ペンスは安倍との会談内容についてトランプに逐一報告していたという。ペンスを介してトランプと対話していたようなもので、実態は安倍、トランプ、ペインの3者会談に近かったと。

 (安倍・ペンス会談とは逆に)9日の日韓首脳会談は首脳間の絆を一切感じられない内容だったと。

 安倍は冒頭の写真撮影からほとんど笑みを見せず、穏やかな口調ながらも、その一言一言は怒気をはらんでいたと。

 日米が描くシナリオは制裁・圧力で北朝鮮を徹底的に追い込み、核・ミサイル開発方針を転換するなら「ご褒美」として対話にも応じるというものなのだが、文在寅のシナリオは正反対であると。

 だから、安倍は米韓合同軍事演習を延期すべきでないと述べたと。

 日韓合意についても、安倍はたたみかけるようにこう言ったと。

 「取るもの(10億円)は取っておいて実行できないというのはあり得ない」と。

 「(日韓合意には)日本にも国民から強い反発、批判があった。しかし、あえてここで決断しないと日韓関係は、前に行けないと考え合意に応じた。あなたも国民の高い支持があるんだから決断しなければならない」と。

 文在寅の顔から愛想笑いが消えたと。

 最後まで議論がかみ合う事はなかったと。

 文在寅も、「国家間の合意」の重さが見に染みたのではないかと。

 今回の訪韓にはもう一つの狙いがあった。それは北朝鮮に拉致問題の解決を迫る事だったと。

 好機は9日夜のレセプションの最後にやって来たと。

 来賓が席を立ち始めた時、タイミングを見計らって、安倍ら日本政府関係者が金永南を一気に取り囲んだと。

 秘書官の一人が周到に安倍用の椅子を用意し、安倍は金永南の隣に座って、こう訴えたと。

 「すべての拉致被害者を返してもらいたい」と。

 時間にして10分未満であり、金永南の対応は一切明らかにされていないが、拉致問題解決に向けた安倍の強い意思は十分に伝わったと。

 金正恩の元にも届くのではないかと。

 以上が産経新聞の記事の概要である。

 一切の検証をすることなく、安倍のオトモダチである産経新聞の読者ように書かれた作文をそのまま記事にしたものだ。

 そして、もしこれが本当の舞台裏であれば、これほど無礼で稚拙な外交はない。

 米国が無礼で外交ベタであるのは今更言うまでもない。

 しかし、日本がここまで米国の真似をするようではお終いだ。

 文大統領が、我々の主権の問題に口を挟むなと、異例の反論をしたのは当然だ。

 そんな事を言われた安倍首相は、世界に日本外交の恥をさらした。

 噴飯物である(了)

コメント & トラックバック

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  1. 産経新聞の記事の真偽はともかく、安倍首相が言うべきことを言ったのであれば、それは稚拙でも恥でも構いません。拉致被害者の気持ち、わかりますか?(私は被害者の親族)
    何もしない方のコメントはいらない。

  2. ここ最近10年くらい前からですかね、気になるのが正式に設定された会談でも無い場面で、社交儀礼的な場で、パーティーみたいな場で、会談設定の難しい外国首脳に唐突に話し掛けて一方的に自分の言いたい事だけを言う。それも立ち話で。

    それを外交とか成果とか、それも強く迫ったとか報道されますが、それって外交とは思えませんが。

    ましてや相手方に事前通告も何も無く、返答も用意してないとこで勝手に言って勝手に去られても言われた方に失礼で当惑されるだけだと思いますがね。

    お酒の入った席なら『酔っ払いが突然来て何か言ってどっか行っちゃったな、アイツ誰だったっけ⁉︎』くらいのものでしかないと思いますが。

    地球儀じっくり俯瞰しても、結局肝心な相手とは立ち話で寸劇外交とは残念ですね。

  3. トランプ大統領からお返しが入っている、
    Afp通信のニュースで、日本が貿易で殺人と非難対抗措置を警告

    米大統領は12日、日本を含む貿易相手国が「殺人を犯しながら逃げている」と非難した。
    ホワイトハウスで開かれたインフラ関連の会合で、出席した閣僚や州、地方自治体の関係者を前に、
    「他国に利用されてばかりではいられない」と述べ、「我が国は対中日韓で巨額を失っている。これらの国は
    殺人を犯しながら逃げている」と指摘。

    「我が国以外の国、米国を利用する国々に負担してもらう。いわゆる同盟国もあるが、貿易上は同盟国ではない」
    「相互税を課していく、これに関しては、今週中、そして向こう数ヶ月に耳にすることになる」
    トランプ大統領が具体的に何に言及しているのかは不明。
    APF通信社はホワイトハウスにコメントを求めたが、現時点では回答は得られていない。

    揺るぎない同盟国は安倍首相の幻想のようだ。

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