トランプ政権が18日、はじめてその安保戦略を発表した。
これまで発表されてきた米国の安保戦略は数多くあるが、ここまで明確に軍事力強化を強調し、軍事力に頼る安保戦略を打ち出したものはない。
報道されるその要旨を見れば、第3章「力による平和の堅持」の中に、次のような言葉がある。
「米国は軍縮を進めてきたがそれは誤りだった。国際的な脅威や競争が複雑さを増すなか・・・軍事力拡大に舵を切る」と。
これは、その前に書かれている米国を脅かす脅威(中国、ロシア、イラン、北朝鮮、テロ)に勝ち抜くことを表明している部分とあわせ読むと、米国第一を優先し、その実現のためには軍事力を行使すると宣言したことに他ならない。
これは、第二次大戦の反省に立って作られた国際平和秩序、つまり、国際連合による平和維持体制を、真っ向から否定するものである。
すなわち国連憲章は第6章「紛争の平和的解決」で、いかなる紛争もまず平和的解決に努めることを謳っている(33条)。
まさしくトランプ政権の安保戦略は戦後の国際秩序の否定だ。
同時にそれは、国連憲章を前提として作られた憲法9条の精神の否定でもある。
確かに戦後の国際政治の現実は、国連による平和維持とは程遠いものであり続けた。
しかし、どの国も、いや、トランプ以前の米国でさえ、建前は崩さなかった。
ところが、今度のトランプ政権の安保戦略は、建前そのものを否定したのである。
さすがに今日の各紙の社説は批判的だ。
私が驚いたのは日経と産経の社説の好対照だ。
すなわち日経は、こんな米国だけに頼らず幅広い安保網をつくれと書いた。
日経ですら、日米同盟一辺倒では危ういと言い始めたのだ。
トランプ政権の暴政が、いやがおうでも日米同盟最優先の日本の国是に見直しを迫る事になる。
その一方で産経新聞はこれを評価し、それどころか、有言実行を求めている。
いくら何でもこの社説はないだろう。
トランプ政権とともに一刻も早く退場することが日本のため、いや世界のためである(了)
建て前だらけの世界の中で、
トランプはホンネでやってるかも
だけど、ホンネはバカっぽいわな~