ブッシュの米国がネオコンに支配されていた時、そのネオコンのひとりであるロバート・ケーガンという人物がこう言ってEUを驚かせたことがあった。
つまり国際協調を重視するEUは軍事力が弱くなった証拠だ。彼らだって軍事力が強い帝国主義の時代は軍事力ですべて解決してきた。いまや世界最強の軍事力を持つ米国が、軍事力ですべてを解決しようとするのは当然だ、と。
この言葉は見事に米国の外交ベタを言い当てている。
確かに軍事力を使った米国に歯向かう事のできる国は世界に存在しない。
しかし、そのことは逆に、軍事力の行使が出来ない米国ほど無力、無能な国はない、ということだ。
いま我々は北朝鮮の危機を前にしてそれを目撃している。
北朝鮮の瀬戸際外交は言うまでもなく、ロシアや中国の二枚舌外交や、米国と一線を画す独仏外交や、大国間の対立に翻弄されるアセアン諸国でさえも、巧みな外交で必死に国益を守ろうとしている。
それにくらべ、北朝鮮攻撃に踏み切れない米国は、「あらゆる選択はテーブルにある」という言葉を繰り返すしかない。
そして武力行使をしたらお終いであり、武力行使が出来ないまま、北朝鮮に翻弄され、譲歩を強いられている。
これはトランプ大統領だからではない。
あのオバマ大統領でさえ、武力行使を自制して、米国の国際的影響力を低下させた。
まさしく米国ほど外交ベタな国はないのである。
そんな米国に従属するしかない日本が外交ベタあるのは当然だ。
いや、日本は外交ベタ以前に外交不在なのだ。
アントニオ猪木氏が7-11日に訪朝を予定している事について、菅官房長官がきのう4日の記者会見で不快感を示したらしい。
政府の方針に従って訪朝見送りを求めたというのだ。
これが、アントニオ猪木氏に極秘外交を託した事を隠すポーズならわかる。
しかし、もし本気でアントニオ猪木氏に訪朝見送りを求めているとしたら、これほど愚かな事はない。
アントニオ猪木氏が北朝鮮との関係でどのように無責任な言動をしても、政府とは無関係だといって一蹴できる。
その一方で、政府とは無関係なアントニオ猪木氏を使って、北朝鮮との極秘の話し合いや取引は、どんな内容であろうが、やろうと思えば出来るのだ。
アントニオ猪木氏を使わない手はない。
あの料理人の藤本氏の時もそうだったが、何でもかんでも外交は外務省が一元的に行おうとするから外交不在になるのだ。
外務省が有能なら一元化もいいだろう。
しかし、今の外務省は、安倍・菅暴政に人事を握られて崩壊状態だ。
日本外交が不在であるのも無理はない(了)
今日の自民党役員会で安倍首相は、北朝鮮が核実験を行ったことについて「国際社会と緊密に連携し圧力を高めていくことが必要だ。我が国がリードし、国際社会とともに圧力を高めていきたい」と述べた。
6日からロシアのウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムに合わせて、韓国大統領、ロシアのプーチン大統領、モンゴルの大統領と会談し、北朝鮮への対応を協議したい考えを示した。
また、安倍首相は、「我が国のミサイル防衛能力も、米国と連携して高めていく」と述べ、国民の安全確保に万全を期す考えを強調した。NHKなどが報じた。
プーチン大統領が早速記者会見した中で、「北朝鮮に対して制裁を用いても効果ない。平和的、外交的手段をおいて、北朝鮮問題を解決する道は一切ない」と質問に答えた。その前段では、北朝鮮もフセイン氏やイラクのたどった運命をはっきり記憶していると指摘した。-Sputnik日本が速報で伝えた。
日本の外交不在の極みの例です。
卍固めでも決めて貰いましょうか。金正恩のテポドン落としの逆襲に遭うかも。そのときは、最終兵器タイガーマスク天木直人も居ますしね。