新党憲法9条

憲法9条それは希望

強気に転じた稲田防衛大臣とその裏にある防衛省の混乱

 メディアの稲田叩きがとどまらない。

 ここまでくれば安倍首相は8月3日の内閣改造を待たずに更迭せざるを得ないだろう。

 これ以上支持率を落とさないためにも安倍首相はそうするだろう。

 そう、私は考えた。

 しかし、テレビで流される稲田防衛大臣の強気な発言の繰り返しを見て、その考えは間違いではないかと思い直した。

 このまま8月3日の内閣改造まで稲田大臣は任期をまっとうするだろう。

 なぜ、私がそう思い直したか。

 「報道されるような事実はない」、「大臣としての職務を責任をもってやり遂げるだけだ」、そう繰り返す稲田大臣の発言は、これまでの発言に比べ、妙に自信に満ちている。

 それらの発言を、そう言い張るしか他にない、もはやここまでくれば開き直るしかない、と決めつけるのは簡単だ。

 しかし、私には、稲田大臣が反転攻勢に転じたような気がしてならない。

 そしてそれには理由がある。

 それは何か。

 防衛省の混乱である。

 防衛省の混乱にその責任を押しつければいいのだ。

 実際のところ、一連の報道で明らかになったのは、防衛省内の現場と本省の食い違いであり、陸自と海自の人事をめぐる対立であり、シビリアンコントロールをめぐる文官と制服組の主導権争いである。

 おかざりだった稲田大臣は、そんな防衛省内の混乱ゆえに、その発言が迷走した。本当の責任は防衛省という組織にある。

 そう責任を転嫁すればいいのだ。

 もちろん、その防衛省を統率する責任は稲田防衛大臣にあり、無能な稲田議員を防衛大臣に任命した責任は安倍首相にある。

 しかし、そのような責任は、政局がらみの話であって、世論の反発は防衛省という官僚組織に向かう。

 防衛省を悪者にして逃げ切ることは、安倍自民党政権にとって、内部告発をした防衛省に懲罰を下せる一石二鳥だ。

 文科省に対する報復と同じ構図だ。

 この私の見立てが正しいかどうかは、一週間引き延ばされた特別防衛観察報告書によって明らかになるだろう(了)

 

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  1. 21日の防衛大臣記者会見の記者とのやりとりが発表された。記者が鋭く質問しても、糠に釘で、手ごたえもなく効果もない。防衛に精通していないために、あらゆる面で余裕がないから国会答弁と同様に、自分の世界しか見えてないので部下の述べることも全部を把握出来ていないと思う。

    安倍首相が稲田氏を防衛大臣に任命した深い事情と理由を明らかにしない限りは、すっきり解決しない。稲田防衛大臣が辞めないのも、辞めさせないのは、安倍首相と米国との間で何か自衛隊に関する密約が関係しているのだろうかと疑いたくなる。

    防衛省は、憲法9条のもと、国民の生命と生活の保全を重視する「人間の安全保障」という概念を堅持してほしい。

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