セルビアの若者の一発の銃弾がオーストリア国王の命を奪い、これがきっかけでオーストリアがセルビアに宣戦布告し、やがて第一次世界大戦勃発につながった(いわゆる1914年のサラエボ事件)。
これは世界歴史に少しでも関心を持つ者なら誰もが知っている事だ。
このひそみに倣えば、一つのサイバー攻撃によるフェイクニュースが戦争を起こす日がいつか来る。
そう思わせるニュースを、きょう6月8日の読売などの一部紙が小さく報じた。
すなわち、米CNNテレビは6日、サウジアラビアとカタールの国交断絶のきっかけとなったカタールのタミム首長の発言は、カタール国営通信がロシアからサイバー攻撃を受けた事によるフェイク(偽)ニュースだったとみて米国捜査当局が捜査している、と報じたという。
カタール国営通信は5月下旬に、タミム首長が国内の式典で「イランに敵意を抱くのは賢明ではない」などとサウジを批判する発言をしたと報じた。
この報道はやがてアラブを駆け巡り、このタミム首長の発言がサウジなどの猛反発を受けた。
しかし、カタール政府は、当時、カタール国営通信はハッキングされたとして、タミム首長の発言を否定していたという。
そういえば、確か日本の新聞も当時そのような報道をしていたことがあったと私もいま思い出している。
6日のCNNは、そのサイバー攻撃が、ロシアによる、米国の同盟国であるアラブ諸国の分裂を狙ったものだったして捜査している事を明らかにしたのだ。
もちろんロシアはこのCNNの報道を激しく否定するだろうから、真相はいつまでたっても不明のままで終わるだろう。
そして、たとえそれが事実であったとしても、サウジらが断交した理由は、タミム首長の発言だけではない。
しかも、サウジとカタールの断交は、仲介の動きが活発化して、決して戦争につながるような事態には悪化しないだろう。
だから、今度のフェイクニュースによって戦争が起きる事にはならないだろう。
しかし、サイバー攻撃によるフェイクニュースはこれからもあらゆる形で頻繁に起こる。
そしてサイバー攻撃はロシアに限らずあらゆる国が行なっている。
だからサイバー攻撃によるフェイクニュースが戦争を起こさない保障はないのだ。
そして、サイバー攻撃の最先端技術を開発しているのがイスラエルだ。
フェイクニュースという名の情報操作が、中東での戦争を引き起こさない保障はどこにもない。
中東発の戦争が世界戦争に発展する。
そんな悲劇が起こらない保障はどこにもない。
そういう思いを抱かせる、カタール断交はロシアのサイバー攻撃が原因だったという米CNNニュースである(了)
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