その後の報道を見れば、安倍首相の改憲インタビューやビデオメッセージは、周到に準備されていた事がわかる。
これは究極の民進党潰しであり、民進党を潰すということは、野党共闘を潰すということだ。
安倍首相の突然の改憲宣言は、その内容を見れば、正面突破ではなく、自衛隊を憲法9条に明記するだけという腰砕け改憲だ。
いかにも安倍首相らしいが、こんどばかりは、ただの腰砕けではない。
政局をにらんだ戦略だ。
これなら公明党は飲める。
なによりも民進党は反対できない。
なぜなら、民進党には前原など同じことを提唱している議員が多数いるからだ。
安倍首相が提唱したこの改憲案が政治問題に急浮上することによって、こんどこそ民進党は分裂する。
しかも期限を2020年の東京五輪に合わせている。
議論は待ったなしとなり、北朝鮮の危機が長期化することとあいまって、政治の中心はにわかに憲法9条改憲問題に移る。
安倍首相の作戦勝ちだ。
そう思っていたら、きょう5月7日の読売新聞がダメオシの記事を書いた。
その記事とは、連休明けの国会で野党が対決モードで攻めてくれば、安倍首相は強行突破ではなく、会期を大幅に延長して迎え撃つという記事である。
これは連休明けの民進党の攻勢をけん制しているのではない。
民進党がどんなに攻めても安倍首相がびくともしないことを読売新聞は知っている。
知っていながら民進党が対決モードだと書いている。
だから会期延長だと書いている。
特に注目したのは、なんと会期延長は7月2日の東京都議選の後までの長期延長もありうると書いているところだ。
これは、これまで誰も考えた事がなかった奇策だ。
東京都議選は小池新党が圧勝するか、安倍自民党が思ったほど負けないか、そのどちらかだ。
どちらになるかわからない。
しかし、はっきりしていることは民進党が崩壊するということだ。
そうなれば国会は野党不在になる。
安倍一強に抵抗するのは共産党だけになる。
そうなれば国会は安倍首相のやりたい放題だ。
読売新聞の記事は、そう言っているのである。
この読売新聞の記事の意味するところは深刻である(了)
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