日本の報道を見ていると、なんだかトランプがエラソーに習近平に対して北朝鮮問題で命令をしているように報じられている。
すなわち経済圧力を緩めてやるから北朝鮮の暴走をお前の責任で止めろと。
それが出来ないなら、米国が単独で軍事行動を取ると。
中国にとっては、何をフザケタ事を言っているんだ、ものを頼むときは頭を下げてから頼んだらどうか、それなら協力してやってもいい、と内心思いながらもトランプの話に適当に合わせているに違いない。。
実際のところ米国ほど外交の下手な国はない。
武力攻撃は世界一得意でも、説得することはまるでだめだ。
特に北朝鮮に対しては、米国は中国に頭が上がらないのだ。
その事を米英の識者さえ認めている。
すなわち4月22日の日経「緊迫する世界」は、米ユーラシア・グループ社長のイアン・ブレマー氏の次の言葉を掲載している。
米国自身ができることは(軍事攻撃以外は)実質的にこれ以上(空母を朝鮮半島に派遣し警告すること)ない。米国は北朝鮮に影響力のある(最近それも衰えてきているが)中国に、より真剣に対処するよう圧力をかけるしかない、と。
もっと明確に米国のジレンマを喝破しているのが、ファイナンシャル・タイムズの記事を引用した4月24日の日経の記事のジェームズ・キング編集委員の次の言葉だ。
中朝の同盟関係は、建国以来、欧米と戦って来たという共通の利害を持つ。金正恩率いる核武装した北朝鮮が今の中国にどれほど受け入れがたくても、体制が崩壊し、朝鮮半島全体が米国の安全保障の傘の下に入るよりはましだと考えているだろう。米国が中国の最大のライバルであり続ける限り、北朝鮮がいかに目に余る行動をとっても中国は大目に見ようとする、これこそが米国にとって不都合な真実だと。
これを要するに、北朝鮮問題ではトランプは習近平に勝てないのだ。
トランプが何も出来ない北朝鮮に、そのトランプに追従一辺倒の安倍首相が出来る事は皆無であるということだ。
せめて中国との関係ぐらい、少しは改善したらどうかということである(了)
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