何度でも書く。
きょうから本格的に始まる今度の臨時国会の最大の争点は、安保政策3文書改定問題だ。
なぜなら、それは戦後の日本の対米従属の防衛政策の行き着く先であるからだ。
そしてその目的は明確だ。
中国を明確に脅威とみなし、日本の防衛政策を台湾有事を前提にしたものに特化させるためである。
日本の国運を左右するこんな重要な政策決定を前にして、国会はこれまで一度もまともな議論をして来なかった。
そして今度の国会の審議日程は12月中旬までと限られている。
いつ、どのような形で本格的な議論が始まるというのか。
そう思っていたら、奇しくもきょう10月16日の読売と朝日が、国家安保戦略3文書について特集記事を組んだ。
それを読むと、この3文書がいかに深刻な矛盾を抱えているかがわかる。
「日本の防衛政策は重大な転換点を迎えている」
こういう書き出しで始まる、内田明憲という編集委員の特集記事の要旨はこうだ。
米国はこれまで日本が先制攻撃力を持つ事を決して許してこなかった。
日本の軍事大国化を防ぎ、中国や韓国の反発を招かないためだ。
在日米軍の存在は、そのための「ビンの蓋」の役割だ、と発言した在日米海兵隊司令官もいたぐらいだ。
その米国のオースティン国防大臣が、9月14日に浜田防衛相との会談で、日本が敵基地攻撃力を持つ事について「強い支持」を表明した。
ついに日米同盟はここまで成熟したのだ、と内田編集委員は評価した。
しかし、その後で、米中の軍事バランスが中国優位に変化した事の裏返しでもあり日本はハッピーと言い切れない、いよいよ自衛隊の強化が必要だ、と書いているのだ。
これ以上の矛盾はない。
朝日の特集記事は、もっと矛盾に満ちたものだ。
すなわち、日本政府は、つねに「米国に見捨てられる」警戒感と、「米国の戦争に巻き込まれる」警戒感の二つの現実に直面していると書いている。
つまり、ウクライナのように代理戦争に立たされる警戒感と、日米同盟の深化によって日本が望まない中国との戦争に巻き込まれる警戒感、これである。
そして、その二つの警戒感に答えを出せないまま、日本政府はあらたな国家安保戦略3文書を年内にも決めなければいけない。
その内容如何では日本の防衛政策の転換につながりかねない可能性がある。
と書き、最後に、日本に突きつけられた課題を随時特集します、で終わっている。
何と悠長な特集記事だ。
読売も朝日も、まるで深刻さや緊迫感がない。
それでも特集記事を書くだけまだましだ。
他紙はこれからどのような記事を書くつもりなのか。
それよりも、何よりも、野党はなぜ日本政府に議論を挑まないのか。
自民・公明両党はトップクラスを動員して協議を始めているというのに。
そう思って気づいた。
習近平主席の中国を脅威とみなす姿勢は、野党も自公政権とまったく同じだ。
ロシアや北朝鮮に対する敵視政策はいうまでもない。
これでは安保政策3文書改定を阻止する事は野党には期待出来ない。
日本はあっさりとルビコンを渡ることになる。
それでいいはずがない。
いまこそ沖縄の出番だ。
沖縄党をつくって国政に参加すべきだ。
参加するだけでなく、連立政権の一翼を担うのだ。
そして、日本を憲法9条を実践する国に引き戻すのだ。
それが出来なければ、沖縄は中国と直接に話し合って、沖縄だけは中国と戦わなない、中国は沖縄だけは攻撃しない、そういう不戦の覚書、平和的共存共栄の覚書を交わすのだ。
沖縄が本気でそう臨めば、三期目に入ってますます指導力を強める習近平主席は、打てば響くに違いない。
沖縄こそが日本の希望だ。
日本の未来だ。
その事を沖縄は今こそ証明して見せる時だ。
このメッセージが玉城知事に届くことを願うばかりである(了)
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