さる7月1日、香港で、英国から中国に香港が返還された事を祝う25年目の式典が開かれたた。
その記念式典に出席した中国の習近平国家主席は、次のように述べたという(7月2日朝日)。
一国二制度は誰もが認める成功を収めたと。
一国二制度のような良い制度を変える理由はどこにもにないと。
(一国二制度は)長期的に堅持していかなければいけないと。
この習近平主席の発言は、「香港が中国へ返還された後も一国二制度は50年間は維持する」という約束を中国が破ったと非難するジョンソン英国首相らの発言が的外れだと言ってように聞こえる。
どちらが正しいのか。
それを判断するには「香港が中国に返還された後も一国二制度は50年間保証される」という合意がどのようなものだったのか、その事を正しく知らなくてはいけない事になる。
ところが、どの報道を見てもその事が検証されていない。
そもそもこの事が明記されたのは1984年の中英共同声明だったらしいがそこにどのように書かれていたか、報道がない。
そして1997年に返還された時に、もっと明確な形で合意が取り交わされたに違いない、その合意についての記事がない。
そして、それが中国と英国の二国間の合意なのか国際社会に対しても約束を誓った合意なのか(それはあり得ないと思うが)、不明だ。
思うに、共同声明といい、合意といい、その文章は、中国と英国で異なる解釈のできる玉虫色のものではなかったのか。
さらに言えば、高度な自治とか生活様式とか、その言葉自体が明確な定義が出来ないものではないか。
何よりも、アヘン戦争を仕掛けて植民地化し英国が、その領土を返す時に条件など付けられるというのか。
返還したあとも、50年にもわたり香港を英国の影響下に置こうとした英国こそ宗主国意識から抜け出せないのではないか。
一国二制度に合意した1984年の中国と今の中国では天と地の違いのはずだ。
i一国二制度の約束を中国は守っている。その合意を守るのに50年もいらない、25年で十分だと習近平が言えばジョンソン首相は黙るしかない。
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