香港問題に関する英国の中国批判は止まらない。
その英国に共鳴するかのように東京新聞の中国批判が止まらない。
最近の東京新聞を見ていると、軍事覇権と香港問題に関する中国批判を書かない日はないくらいだ。
産経新聞も顔負けするほどだ。
きょうも社説で香港の立法議会選挙に「中国は干渉するな」と偉そうに批判している。
しかし、香港問題の根本問題は香港が英国の植民地だったところにあることを忘れてはいけない。
そして香港が英国の植民地になった原因は英国が仕掛けたアヘン戦争にあることを忘れてはいけない。
すなわち香港問題の第一義的責任は英国の植民地政策にあり、1997年に香港を中国に返還せざるを得なくなった時ですら、英国統治時代に「民主化」した香港を元の木阿弥にするなと中国に置き土産をした傲慢さにあったのだ。
いうまでもなく、反植民地主義は戦後の国際原則の一丁目一番地だ。
しかも、いま再び、米国の黒人差別問題がきっかけで、反植民地政策に対する反発が世界を席巻し始めた。
歴史の勝者がつくった歴史観や英雄像が音を立てて崩れようとしている。
この流れは、今度こそ、中途半端では終わらない。
アヘン戦争は歴史に残る植民地支配の負の遺産だ。
習近平主席がエリザベス女王に対し、アヘン戦争に言及し、中国に対して大英帝国が行った非人道的な植民地政策の落とし前をどうつけるのだと言い出せば、エリザベス女王は反論できるのか。
もちろん、最後の植民地国家として名乗りを上げた米国は言わずもがなだ。
黒人差別よりも深刻な原罪である先住民に対する虐殺がある。
そして日本だ。
アヘン戦争で敗れた中国を見て震え上がった日本は富国強兵に走り、アジアの解放どころか、アジアを植民地化して欧米列強と競い合い、そして敗れた。
戦後、アジア、アフリカ、ラテンアメリカが反植民地主義を掲げて新しい国際社会を作ろうとした時、日本は「敗戦国」の汚名を挽回すべく、旧敵国に認められる形での国際社会の復帰に汲々とし、反植民地運動の先頭に立つことは出来なかった。
そんな日本は今でも中国や南北朝鮮と歴史認識問題を引きずっている。
香港の人権問題で中国を批判する前に、明治維新から始まって、今日に至る日本の国のあり方を、ここで根本的に見直す事が先決ではないのか。
アジア侵略への謝罪と反省のないまま、再び日米同盟優先で中国や南北朝鮮と戦う方向に突き進む日本でいいのか。
そのことを、一億総国民が議論して答えを出す必要が待ったなしに来ているのである。
それを言い出し、実践する政治家が出て来なくてはいけない(了)
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