米国が中国を非難しない日はないほど、米国の中国叩きが激しくなっている。
それに伴って日本の中国敵視政策が急速に高まっている。
ついこの間まで、習近平主席の国賓招待に未練を示し、香港問題で米国と一線を画そうとしていた安倍首相だが、すっかり様変わりしたごとくだ。
その背後には、トランプ大統領の強い要請があったのではないかと勘繰りたくなるほどだ。
たとえばポンぺオ国務長官が13日、南シナ海に対する中国の主張は完全な国際法違反だという前代未聞の中国批判の声明を出した。
それを茂木外相はすぐに支持した。
たとえば防衛白書を前倒しして14日に閣議決定し、発表した。
そこには、前代未聞の中国脅威論が展開され、まだ国会でろくに議論もされていない敵基地攻撃防衛を先取りしている。
私が驚いたのは、きょう7月15日の読売新聞が、次期駐中国大使に垂(たるみ)秀夫氏を充てる方針だとスクープ報道したことだ。
そして今朝6時のNHKニュースもわざわざそれを取り上げている。
あきらかな観測気球報道だ。
この垂秀夫という外務官僚は、中国に在勤していた時、スパイ活動の疑いで中国政府から警戒され、それを察知した外務省があわてて帰国させてほとぼりを冷ました、いわくつきのチャイナスクールのホープだ。
チャイナスクールには珍しい対中強硬派の外務官僚だ。
その垂氏を、このタイミングでわざわざ次期駐中国大使に内定し、中国政府に同意(アグレマン)を取り付けようとしている。
断れるものなら断って見ろと言わんばかりだ。
もし中国が断ってきたら、それを大きく報道し、中国とはこんなに日本を敵視する悪い国だと宣伝するつもりだ。
大使人事を拒否するということは外交関係を緊張させる異例の事態だ。
それをおそれて中国が垂秀夫次期駐中国大使を受け入れる事になれえば安倍首相の勝ちだ。
日中関係から目が離せなくなってきた(了)
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