きょう5月18日の読売新聞が一面トップで大スクープを掲載した。
それによれば、今国会での検察庁法改正案の採択を見送る案が政府・与党内で急上昇しているというのだ。
典型的な観測気球記事だ。
安倍首相が読売新聞に書かせて世論の反応を見ているのだ。
というよりも、野党に対するこれ以上ない反撃である。
きょう発売の週刊プレーボーイ最新号(6月1日号)で、元農水官僚の池田和隆氏が書いている(政界斬鉄剣!!!」。
検察庁法改正案の本当の狙いは公務員全体の定年延長だ」と。
すなわち、こういうことだ。
野党もメディアも「検察庁法改正案」と呼んでいるが、実はこの法案の正式名称は、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」である。
つまり、特定の検察官だけを優遇したいがための法案ではなく国家公務員全員の定年延長を目指した法案なのだ。
この法案が成立すれば、最後は地方公務員全体の定年延長に影響が及ぶと。
利益を受けるのは地方公務員の巨大労組である「自治労」や「日教組」であり、彼らが支持している野党なのだ。
彼らにしてみれば、法改正の本当の狙いが話題にもならず、批判の矛先が安倍首相に向けられている状況に笑いが止まらないはずだ。
日本で実際の権力を握っているのは政治家ではなく役人であり、役人たちの権力者としての在任期間の延長を狙った法改正なのであると。
しかも、この定年延長は少子高齢化が社会問題となり年金支給の開始年齢が先延ばしになったころからの彼らの悲願であり、雌伏20年、ついに悲願達成の最後のチャンスがコロナ禍のドサクサのなかでやってきたのだと。
もし、これが本当なら、野党にとって一番都合がいいのは、検事総長人事と検察官人事を切り離し、検事総長の定年延長を認める条文を削除させた上で、検察庁法改正案そのものには賛成するふりをすればいいのだ。
そうは問屋がおろさないぞ。
いっそのこと、世論の反対に潔く譲歩したように見せて、今度の国会での検察庁法改正案は見送ります、と宣言した方がいい。
ここまでくれば法改正を強行採決しても、黒川氏を検事総長にさせるのは世論の反発で無理だ。
黒川氏も辞退させてくれと言ってくる。
河井元法相が逮捕されても、傷がつくのはそれを推した菅官房長官だ。
ここはスッパリと先送りし、譲歩した振りをして野党に、ざまをみろ、といってやった方が得策だ。
そう安倍首相が考えても不思議はない。
はたして今週から始まる一週間でこの問題はどう決着するだろう。
もしきょうの読売新聞のスクープの通り、安倍首相が断念することになれば、安倍首相はまだまだ首相を続けるつもりだと言う事である(了)
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