どうやら検察庁法改正問題が安倍首相の息の根を止めそうな雲行きになってきた。
そして、それはまさに安倍一強支配にふさわしい終わり方だ。
検察庁法改正に反対する声は日増しに、しかも急速に勢いを増して、高まっている。
これは驚きだ。
このような玄人好みの問題で、なぜここまで世論の反対が高まるのか。
それは、この問題が、安倍一強支配のこれまでの不正義の数々を象徴する権力の私物化の極みであるからだ。
それを、さまざまな識者がわかりやすく説明し、そしてメディアがそれを報じるようになったから、国民が気づいて怒り出したのだ。
これまでもそうであったように、与野党の国体政治では、安倍政権は採決を強行して成立させる可能性が高い。
私もこれまではそうあきらめて見て来た。
しかし、今度ばかりはそうはいかないと言う気がしてきた。
その理由のひとつがコロナ対策の不手際だ。
感染のこれ以上の広がりはなんとか防げても、これから押し寄せて来る経済悪化の中で、国民生活を救済することは安倍政権では無理だからだ。
誰がやっても困難な事は同じであるが、安倍首相では国民の不満は抑えきれない。
そんな中で、安倍首相が検察庁法の改正を強行すれば、国民の怒りは爆発するだろう。
だからといって、安倍首相はここで検察庁法改正をあきらめるわけにはいかない。
あきらめたら、その時点で安倍首相の権力犯罪の追及が一気に安倍首相を襲うからだ。
はたして安倍首相はどう決断するのだろう。
そんな中で急浮上してきたのが河井前法相の立件報道だ。
これはあきらかな検察庁のリーク報道だ。
この河井前法相の立件は安倍首相の任命責任に直結する話だ。
だからこそ、安倍首相は立件をさせないよう、2月に定年退職するはずだった黒川東京高検検事長の定年を1月末の閣議決定で8月まで延期して、7月で勇退が見込まれるいまの前田検事総長の後任にするつもりだったのだ。
きょう5月14日の東京新聞の「こちら特報部」で、若狭勝弁護士が語っている。
「検事総長や検事長は絶大な力を持つ。彼れらが『この事件は立件しない』と判断すれば、それで話が終る。特捜部長さえひとつのコマに過ぎない」と。
そして、黒川氏の時に見せた閣議決定を、今度は法改正で晴れて合法化しようとするつもりなのだ。
だからそうさせてはいけないのである。
河井前法相の立件は前田総長の判断一つでいつでもできる。
もし安倍首相が検察庁法改正を強行すれば、前田検事総長は河井前法相を逮捕すればいいのだ。
定年を、前にした前田検事総長であればその気になれば何でも出来るだろう。
おまけに世論の後押しがある。
河井前法相のが逮捕されれば、今度ばかりは安倍首相の任命責任が問われる。
どっちに転んでも安倍首相が逃げ切る事は難しくなってきた。
もし、安倍首相が検察庁法改正問題で失脚するような事になれば、それこそ、安倍首相にふさわしい辞め方だ。
なぜなら、これまでの、法を捻じ曲げた不正の数々の罰が一気に彼の身に降りかかってくるからだ。
伊藤詩織さんも、赤木夫人も、救われることだろう。
今度ばかりは検察庁に権力犯罪から国民を守る気概を示してもらいたい(了)
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