アビガンについて書くのはしばらくの間、これで止めたい。
十分に書いて来たからだ。
最後にこれだけは書いて置きたい。
きょう発売の週刊新潮(4月30日号)に、「アビガンは劇的に効いた」という患者の声にもかかわらず、厚労省がそれを使わせないという記事を見つけた。
その記事は、アビガンを飲んでその効き目に感激したという都内在住の50代の回顧録である。
その男性は劇的な回復に至るまでの経緯を次のように振り返る。
「40度近い熱が続いていたのに、アフガン投与の当日に効果が出たんですよ」と。
それまではこうだったと。
「3月末に熱っぽさを感じ、体温を測ると38・6度でした。3日間自宅隔離をしましたが、熱は下がらない。かかりつけの病院ではレントゲンをとっただけで、『コロナは陰性だろう』と言われ、総合病院でも受付で『コロナの検査はできない』とあしらわれました。」
問題はそのあとだ。
その男性は3月31日にようやくPRC検査を受ける事が出来て陽性とわかり、その結果4月に入って大学病院に入院出来た。そして、マラリア薬とかエイズ薬とか飲んだが効かず、入院から5日目に三番目の薬としてアビガンが投与されたという。
そうしたら、熱が止まり下痢もなくなった。
まさしくアビガンさまさまだったのだ。
そこで男性はふと思ったというのだ。
なぜ最初からアビガンを使わなかったのだろうと。
そして担当医に聞いたら、返って来た答えは、「厚労省に申請していて許可が下りるのに時間がかかったから」というのである。
週刊新潮のこの記事は、厚労省が許可を簡単に出さない理由について何も書いていない。
そこに書かれている事は、「政府関係者」と称する人物の次のような解説だ。
いまアビガン投与が可能なのは「富士フィルム」が行っている治験の場合か、各医療機関による観察研究の場合だけだと言う。
だからそれ以外で使う場合は適応外使用ゆえに、倫理審査など煩雑な手続きがあり時間がかかることになっていると。
それよりもなによりも、厚労省は副作用を恐れるあまり消極的になっているというのだ。
私は、この政府研究者の解説はあたっていると思う。
つまり、一部の利益のためとか、政治的思惑などとは関係なく、官僚主義と官僚の保身からくる、単純で次元の低い厚労省の文官、技官の壁ではないかと思うのだ。
悪意から使わせないよりも、患者救済を優先できない事なかれ主義としたら、最悪だ。
ドイツを始め、海外ではどんどんアビガンを輸入して積極的に投与していると言うのに、いかにも日本らしい。
「少なくとも、これから子どもをつくる予定のない男女や重症化しそうな高齢者には、是非とも使うべきだ」
そう週刊新潮の記事は締めくくっている。
この際、徹底的に厚労省の文官・技官を追及すべきであると思う(了)
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