10月7日に発売された月刊文芸春秋の最新号(3月号)は、政局に関心のある読者受けを狙ったあざといものになっている。
すなわち、石破茂の「安倍総理よ、このままでは日本が滅ぶ」と題する石破茂氏の「覚悟の直言」を掲載する一方で、それをあざ笑うかのように、森喜郎元首相の「森喜郎『五輪と政局』に吠える」という記事を載せて、安倍首相の続投しかないと言わせている。
もちろん石破茂の事は、人間性そのものの問題だとまで言って貶めている。
そして、発売翌日の各紙は、森喜郎が安倍4選を支持したことを、お手て繋いで取り上げたが、石破茂の「覚悟」については一切無視だ。
石破氏はよほどの覚悟と戦略がない限り安倍首相には勝てない。
だから私は、それが石破茂の耳に届くかどうかはわからないが、石破茂に私の戦略を伝えているのだ。
しかし、私がこのメルマガで書きたいのは、そんな政局のことではない。
森喜郎が吠えた中に、見逃す事の出来ない発言を見つけたからだ。
森喜郎は、東京五輪の開催成功に向けてバッハ会長と自分が、如何に関係が深いか、そして自分はバッハ会長に如何に強い影響力があるかを自慢している。
その自慢話の中で、昨年6月の大阪G20でバッハ会長が演説をした内容を、次のように、激論の上、自分の要求通り変えさせたと自慢している箇所がある。
「・・・バッハがG20で演説することになっていたので、スイスのローザンヌに行き、原稿を事前に見せてもらったら、韓国と北朝鮮の合同チームのことが書いてあった。安倍晋三総理が議長を務めるG20、しかも日本で、そんな演説を認めるわけにはいかない。『これは全部外してください。政治利用以外何物でもない』と申し上げた。そうしたらバッハは不満そうでした。二人で30分ぐらい主張し合っていたけど、最後はバッハが『その部分は全部削除します。森との友情を大事にしたいから』と言ってくれた。外務省に伝えたら、大喜びでした・・・」
私はこの森喜郎の言う事を額面通りに受け取る気はない。
しかし、たとえその通りであったとしても、こんなことを自慢気に暴露した森喜郎は愚かの極みだ。
韓国と北朝鮮の融和を潰そうとしている事を自ら自慢げに白状したのだ。
森喜郎や小泉純一郎や安倍晋三が中国や韓国が嫌いなのは誰もが知っている。
しかし、もはや政治家を辞めて久しいからといっても、いやしくもかつて日本の総理を務めた人物だ。
その人物が、韓国と北朝鮮が一緒になって核兵器で日本を脅かすようになっては困る、だから南北は分裂したままでいい、と本音をバラしてどうする。
これだけは、元首相として絶対にやってはけない。
やはり森喜郎はサメの脳みそだけのことはある。
こんな馬鹿な事を公言するようでは、また蒸し返される。
森喜郎はクーデターで首相になっただけの事はあると。
なるべきでない人物が談合で首相になってしまったから、その後の日本は、小泉、安倍と続いて滅茶苦茶になったのだ。
そう批判されるのがオチだ。
そして、それはその通りなのだ。
月刊文芸春秋の2020年3月号は、永久保存ものである(了)
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