きょう1月30日の東京新聞「視点」というコラムで、論説副主幹の豊田洋一氏が自民党改憲論の矛盾を見事についた論説を書いた。
我が意を得たり、とはこの事だ。
豊田論説副主幹の論旨はこうだ。
安倍首相が自民党総裁として改憲を政治目標に掲げ続けるのは当然と言えば当然だと。
なぜなら、自民党は1955年の結党以来、「党の政綱」に「現行憲法の自主的改正」を明記し、その後二度改定された綱領でも、いずれも新憲法の制定を盛り込んでいるからだと。
豊田氏の論旨の核心はその後に続く。
豊田氏は党の要綱を引用し、最後の次の部分に焦点を当てる。
「・・・世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える」
つまり、自主独立の精神にあふれた自民党の先達たちは、憲法9条を改正して自前の軍隊を持つとともに、米軍を日本の領土から撤退させることが、あるべき日本の姿だと主張していたのだと。
ところが安保改定60年記念式典で述べた安倍首相の言葉からうかがえるのは、安倍首相には米軍撤退など頭の片隅にもないということだと。
安倍首相が改憲を目指すなら、その先にある米軍撤退も同時に掲げないと筋が取らない、米軍撤退こそ党是ではないかと。
まさしくこれが安倍改憲案の矛盾なのだ。
今の安倍改憲案では、先達たちに申し訳がたたないのだ。
これ以上ない、安倍改憲論批判である。
はたして、いつ、どういう形で、石破氏がこれを言い出すのだろうか(了)
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