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中村医師の功績のいいとこどりをした外務省の厚顔

 きのう12月11日に故郷福岡で行われた中村医師の葬儀の報道を見て、やはり、と思った。

 葬儀は近親者や関係者、支援者たちだけで行われ、そこには政治家はもとより著名人の参列はなかった。

 アフガニスタンの国旗はあったが日本の国旗はなかった。

 しかし、考えてみれば、これは中村医師の望むところではないのかと思った。

 一隅を照らすという座右の銘のごとく、中村医師の葬儀に、政治家や著名人の弔辞は似合わないのだ。

 しかし、その中村医師の思いとは正反対の事をやってのけた者がいた。

 それは外務官僚だ。

 今朝早朝のNHKのニュースを見て驚いた。

 日本の国連代表部のなんとかという参事官が、国連総会で演説し、砂漠を緑の農地に変えた中村医師の偉業は開発事業の模範だ、世界の環境保全の模範だ、その活動は持続されなければいけない、などといわんばかりの演説を行ったのだ。

 これには開いた口が塞がらなかった。

 もし外務省が本気でそう思っていたなら、なぜ外務省は、真っ先に日本国民の先頭に立って、日本国内で中村医師の偉業をたたえなかったのか。

 銃撃の第一報から今日まで、外務省が日本政府を代表して中村医師の不幸な死を悼み、弔おうとしなかったのか。

 中村医師の功績のいいとこどりだけを、課長クラスの外務官僚の演説ひとつで、やってのけた厚顔さ。

 日本外交は外務官僚には任せてはいけない。

 その事を見事に教えてくれたNHKの早朝ニュースだった(了)

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