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負けっぷりが悪すぎる安倍首相の北方領土交渉

 「犬が人間を噛んでもニュースにはならないが、人間が犬にかみつけばニュースになる」

 これは報道に携わる者の常識だ。

 つまり、当たり前のことは、ニュースにならないということだ。

 その常識から言えば、きょうの各紙が日ロ首脳会談の失敗を大きく取り上げていることはおかしい。

 失敗するのは当たり前だったからだ。

 それなのになぜ各紙は一斉に大きく取り上げたのか。

 各紙の報道を読んで私は思った。

 失敗ぶりがあまりにもひどかったからだ。

 安倍首相があまりにも無様だったからだ。

 だからそれを書かざるを得なかったのだ。

 なにしろ、冒頭から、プーチン大統領に言われてしまった。

 北方領土問題は二国間で話し合う問題ではないと。

 つまり米国と話し合わなければいけないと言っているのだ。

 これでは、話は続かない。

 なにしろ、唯一の成果であるはずの共同経済活動についても、どちらの法律を適用するかで、何も進まない。

 おまけにロシアは会談の直前に単独で水産加工工場の稼働式を開き、あてこすった。

 観光とごみ処理の試験的実施が決まったと喜んでいるだけでは、あまりにも情けない。

 極めつけは今後の交渉についてだ。

 外相会議に委ねて続けるという。

 27回も首脳会議をしてダメオシされた後に、どうして外相が解決策を見つけられるというのか。

 安倍首相の北方領土交渉の失敗はあまりにもひどすぎる。

 そんな中で、ひとり産経新聞だけが、だれも書けない事を書いた。

 すなわち、きょうの社説で、どうして、初めから失敗が目に見えていたこんな首脳会談の「席についたのか、悪い冗談だ」と書いた。

 まるで私の常套句だ。

 たまに、とっておきの安倍批判をする産経だから、私は産経の購読を止められないのである(了)

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