安倍外交は支離滅裂であり、自己矛盾の極みであることは、これまで書ききれないほど書いて来た。
今度の天安門事件をめぐる対応もそのひとつだ。
天安門事件から30年経って、日本のメディアはこれを大きく取り上げている。
それは何も今年が30周年という節目だからだけではない。
意図的に大きく取り上げているのだ。
そしてそれはとりもなおさず中国に対するけん制、いやがらせだ。
いうまでもなく天安門事件は中国にとって、人権弾圧という歴史的な汚点となる事件だ。
だからこそ中国は天安門事件をなかったものとしようとしてきた。
逆に言えば天安門事件を蒸し返されるのは嫌なのだ。
ましてや外国がそれを批判することを許さない。
ところが日本のメディアは皆この歴史的事件を大きく、批判的に取り上げている。
それはメディアが安倍首相を忖度して中国に厳しい姿勢をとるからだ。
特に産経新聞が激しい。
きょうの社説でも大きく取り上げ、「終わりなき弾圧をゆるすな」と、今でも中国の人権弾圧はひどい、何も変わらないと言わんばかりだ。
ところが、その一方で産経新聞はべつのところでこう書いている。
「天安門事件後、日本政府は中国の孤立化の回避を訴え、西側の首相としてはじめて海部俊樹首相が訪中するなど、中国の国際社会への復帰を手助けした」と。
「政府は欧米に先駆けて対中制裁を解除し、当時の天皇陛下の訪中を実現させた」と。
「(野田民主党政権は尖閣国有化で日中関係を冷え込ませたが)安倍政権は、昨年の中国の李克強首相と安倍首相の相互訪問をへて『完全に正常な軌道へと戻った』・・・」と。
「安倍首相は首脳の往来を通じ、両国関係を『新たな段階へと押し上げていく』考えだ・・・」と。
支離滅裂で自己矛盾の産経だ。
そして、この支離滅裂で矛盾した産経新聞の中国に対する態度は、そくりそのまま安倍首相の対中国外交の姿である。
安倍首相は、対中国外交に関してもまた、支離滅裂、自己矛盾を繰り返している(了)
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