ベネズエラの政変が一向に解決しない。
選挙で選ばれたマドゥロ政権と、その暴政を批判して暫定大統領を宣言したグアイド国会議長との間で、権力争いが長引いているからだ。
最後はどちらに軍がつくかで決まる。
それでも決まらなければ米軍が介入してグアイド政権が決まる。
要するに、今度のベネズエラの政変劇は、国民の不満を解決出来ない暴政を放置するか、軍事介入で成立する政権を認めるかの究極の選択なのだ。
ただでさえ、他国に政変が起きた時、「新政府承認については慎重に対応すべき」が外交の鉄則である。
いまでは日本のオピニオンリーダーになってしまった佐藤優も、日本は政府承認を急ぐべきではないと当時、書いていた。
私もそう思って見て来た。
ところが、わが外務省は、はじめこそ慎重に見極めていたのに、あっという間に方針を変更してはやばやと反政府側のグアイド氏を支持し、在京ベネズエラ大使に抗議された。
もっとも、外務省の早期承認はまだわかる。
対米従属の安倍外交では、米国がグアイド支持を表明したとたん、それに続くしか選択肢はないからだ、
ところが、外務省と一緒になって、わざわざ党首が記者会見を開いてグアイド政権を認めた政党がある。
それが志位委員長の日本共産党である。
その時私はおかしいと書いた。
そもそも南米の反米政権を支持して来たのは日本共産党ではなかったのかと。
それなのに、なぜ今回はわざわざ記者会見まで開いてグアイド氏を支持する表明をしたのかと。
その理由については、それほどまでにマロゥド政権の暴政が目にあまるからだとか、不破委員長の判断間違いをどさくさに紛れて修正したかったからだとか、いろいろ言われていた。
しかし、やはり新政権の承認は慎重であるべきなのだ。
それを教えてくれた今回のベネズエラの政変劇である(了)
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