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日中関係は完全に正常軌道に戻ったと国会答弁した安倍首相

 私は今行われている国会中継をほとんど見ない。

 ただでさえ不毛であるのに、今度の通常国会は、はじめから不毛であるからだ。

 だから国会でどのようなやり取りがあったかを、翌日の新聞で眺めるだけだ。

 そして、この安倍首相の答弁には、心底驚いた。

 なんと安倍首相は6日の参院予算委員会で、日中関係について次のように語ったというのだ。

 「完全に正常な軌道へと戻った日中関係を、新しい段階へ押し上げていきたい」と。

 「(日中)両国は地域の平和と繁栄に大きな責任を共有している」としたうえで、

 「昨年秋の訪中で習近平主席と互いに脅威とならないことを確認した」と答弁したというのだ。

 拉致問題の解決のために、今度は自分が訪朝して金正恩委員長と会談する、と国会答弁するくらいは、まだ笑って聞き流す事は出来る。

 外交ではなく、おまじないのようなものだからだ。

 しかし、日中関係が正常軌道に入った、アジア地域の平和と繁栄に責任を共有している、お互いに脅威にならないと確認した、などという発言は見逃す事は出来ない。

 なぜなら、それが本当なら、すべてが変わってくるからだ。

 北朝鮮の非核化問題も、米中貿易交渉問題も、北朝鮮非核化問題も、なにもかも変わってくる。

 しかし、現実は、その正反対の事が起きているし、これからも起こる。

 この答弁はおそらく、自民党議員からの八百長質問に対する答弁とし飛び出したに違いない。

 すべてに行き詰り、最後にこれしかないと言わんばかりに日中関係改善をことさら強調したのだ。

 外交の行き詰まりをかわすために壮大なウソをついているのだ。

 野党は、この安倍首相の答弁を徹底追及して、安倍首相がそう考える具体的根拠は何なのか、それを示してほしいと質問しなければいけない。

 この安倍首相の発言を見逃せば、野党には安倍外交の代る外交政策がないことを自ら認める事になる。

 政権交代など迫る資格はないという事になる(了)

 

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