米朝首脳会談が合意に至らないまま終わってから10日あまりたち、その後の報道は、米朝交渉の先行きを危ぶむものばかりだ。
北朝鮮が核施設の再稼働を始めたと報道されるに至って、さすがのトランプ大統領も金正恩委員長に「失望した」と言い出した。
やはりベトナムで行われた米朝首脳会談は決裂だったのか。
私の推測は間違っていたのか。
私は決してそうは思っていない。
しかし、私がそういっても説得力はない。
そこで例によって佐藤優に代弁してもらう事にする。
きょう3月8日の東京新聞「本音のコラム」で佐藤優はこう書いている。
「ハノイで行われた米朝首脳会談について、多くの新聞が『決裂した』と報じたが、違和感を覚える」と。
「(共同文書の署名が見送られたことは)本質的な事ではない。重要なのは、米朝の武力衝突が起きないという意思を、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が確認したことだ」と。
「2017年末には多くの国際政治や軍事専門家が、近未来に米軍が北朝鮮を攻撃する可能性があると述べていた。もし、朝鮮半島で火蓋が切られていたならば、日本も確実に巻き込まれていた・・・北朝鮮に対する攻撃が在日米軍基地からなされるならば、北朝鮮は弾道ミサイルなどで日本を攻撃してきたであろう」と。
「(しかし)ハノイ米朝首脳会談後も、朝鮮半島に危機的状況は生じていない。米朝関係はすでに質的に改善したのである」と。
「脅威は意思と能力によって構成される。北朝鮮と米国の攻撃的意思が脱構築されつつある。トランプ、金正恩両氏の平和構築に向けた努力を過小評価すべきではない」と。
私の言いたい事をズバリ代弁してくれている。
私と佐藤氏の違いは、私は公開情報に基づいて推測しているだけだが、佐藤氏は確たる極秘情報(イスラエルのモサド情報)の一端を得て書いているところだ。
だから彼の書くことは間違いない。
時として大嘘を書く事がある。
それを私は激しく批判する。
しかし、私は知りながら批判している。
彼が間違ったことをあえて書くのは単に間違っているのではない。
すべては情報操作のなせる業なのだ。
それを見抜くのが私の役割だ。
米国は北朝鮮を攻撃しない。
いや、出来ない。
米国はイラン攻撃との二正面作戦は避けたいのだ。
それがトランプの意思だと佐藤優は教えてくれているのである(了)
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