トランプ氏が勝利したことは意外でした。自分は勝つだろうと思っていたとか、日本のメディアは読み間違っていたとか、安倍自民党政権はこれまでの政策の見直しを迫られる、ざまあみろとか、そのようなこというよりも、意外であったことを素直に認めて、トランプ大統領の米国と日本はこれからどう向かい合っていくかということを考える時です。
安倍政権や日本の親米保守は、そして国民の多くは、トランプの米国の下でも日米同盟の重要性は変わらないとして、トランプ政権との関係構築を最優先に考えるでしょう。しかし、そのような受け身で、状況対応型の態度では、トランプ政権下の米国にますます従属していく事になります。たとえばTPPは白紙になるか仕切り直しになるでしょうが、テロとの戦いは激しくなるかも知れませんし、在日米軍の経費負担は増やさざるを得なくなるかもしれません。要するにトランプの米国に振り回されることになるだけです。トランプがこれまでの米国より正しい政策をとるのならまだいいでしょう。そしてひょっとしてクリントンが大統領になった時より日本にとってはいいかもしれない。しかしそうなる保証はなく、要するにトランプの政策に振り回されることになるのです。
いまこそ対米自立の絶好のチャンスであり、「対米自立をするのは今でしょう」と私は思います。国民のそれを気づかせる必要があります。
国益を最優先するトランプは、日本も国益を最優先することをきちんと説明すれば分ってくれる可能性はこれまでの米国よりあるかもしれません。
そのためには憲法9条が威力を発揮するのです。
自立する以上自分の国は自分で守るという方針が大切になってきます。
トランプもそう日本に求めています。
その場合、憲法9条を捨て、軍事力で自主防衛を目指せば、トランプの米国はおろか中国やロシアからも警戒・敵視されます。
憲法9条こそ最強の外交・安全保障政策であるという立場から、自主・自立した外交・安全保障政策を進める事がまさしく必要になってきます。
そしてそれを唱える政党や政治家は今の日本には存在しません。
自民党は親米保守という名の対米従属から抜け出せず、野党共闘には対米外交は不在です。
トランプはどこの国とも良好な関係を持つと言っています。
もしそれが本当ならトランプの米国は、中国やロシアとも関係改善をはかり、北朝鮮との話し合いも進むかもしれません。
その場合は日本はますますその存在感を失うことになります。
しかし日本が憲法9条を掲げて、軍事大国の犠牲になっている世界の大多数の国との関係を重視する国になれば、立場は逆転します。
日本は世界の多くの国から支持される国になるでしょう。
そして軍事大国にとっては軍拡競争をやめて世界の平和と安定のために指導力を発揮すべきだと迫る事が出来ます。
そのような日本になるためには、まず日本が、憲法9条を国是とする国にあらゆる内政を建て直し、国民が一体となって、落ちこぼれの国民がなくなるような豊かで一体感のある国にならなければいけません。
新党憲法9条の目指す日本はそのような日本であり、いまこそ新党憲法9条が日本の政治の中に誕生しなければいけないのです(了)
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