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「台湾名義の東京五輪参加」を住民投票に付す台湾の誤り

 決まった事は仕方がない。

 あとは結果を待つだけだ。

 11月24日に台湾で行われる、「台湾名義で東京五輪に参加する」ことの是非を問う台湾の住民投票の事である。

 国際オリンピック協会(IOC)は16日、住民投票はIOC憲章に違反している疑いがあるという警告文を台湾側に送付したという。

 これに対して住民投票を主導する台湾独立派団体は反発したという。

 このニュースを知って、私は台湾側に助言したい気持ちがどんどんと強まっている。

 いまからでも遅くない。

 とりあえず住民投票を延期すべきだ。

 このまま住民投票するなら、どっちに転んでも決して台湾側に有利な効果をもたらさない。

 中国に屈服しろと言っているのではない。

 それが台湾側にとって現実的な対応だと思うからだ。

 台湾を中国の不可分の領土とする中国の主張は、今に始まった事ではない。

 台湾の五輪呼称をめぐる中台の争いは過去にもあり、妥協の産物として1981年のIOC会議で、台湾は「チャイニーズ・タイペイ(中華台北)」名義で五輪参加する事で決着した経緯がある。

 あの時と今では、中国の力は格段に大きくなっている。

 中国が呼称を中国に統一しろと要求しているのなら別だ。

 しかし、そうではないなら、一旦認められ、IOCもそれを尊重するチャイニーズ・タイペイの呼称を、いま台湾側から変えようとするのは寝た子を起こす事になる。

 投票結果の動き如何では、中国が反発し、台湾の呼称を中国で統一しろと言い出しかねない。

 そんな事になるくらいなら、既得権であるチャイニーズ・タイペイを変えない方がいいのだ。

 IOCも台湾側に立つだろう。

 逆に、もし台湾が台湾の呼称にこだわるなら、IOCは台湾の参加資格を停止すると警告している。

 台湾はいま呼称にこだわるよりも、チャイニーズ・タイペイで五輪参加することを優先すべきである。

 国際情勢は常に変わり、進化する。

 台湾の五輪参加呼称の問題は、タイミングを見計らって、ベストのタイミングで提起すればいいのである(了)

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