河野外相がきのう8月2日、シンガポールでイランのザリフ外相と会談したらしい。
アセアン外相会談やアジア地域フォーラムに出席しているのだから、お得意の北朝鮮非核化のための制裁圧力や、中国の南シナ海進出のけん制や拉致問題解決に向けた国際協力の呼びかけに専念していればよかったのに、わざわざイランの外相と会っている。
それもいいだろう。
しかし、せっかくこのタイミングでイラン外相と会うなら、イランに対して米国との話し合いに応じるように説得すべきだ。
おりから米国の制裁発動の期限が8月7日と迫っている。
トランプ大統領は突如として、無条件でイランと話し合う用意があると言い出した。
ところがイランはそれに応じようとしなかった。
愚かだ。
金正恩委員長の北朝鮮を見習ったらどうか。
トランプ大統領と首脳会談を行い、世界の見ている前でイランの正しさを訴えたらどうか。
トランプ大統領の理不尽さを訴えたらどうか。
イランにとって損な話ではない。
日本は米国とイランの話し合いを支持する。
米国との仲介役をしてもいい。
なぜ河野外相はそう言わなかったのか。
報じるところによれば、河野外相はこうザリフ外相に言ったらしい。
「イランが核合意を履行している事を歓迎する」と。
これに対してザリフ外相は「日本の立場を歓迎する」と応えたらしい。
しかし、この河野外相のザリフ外相に対する発言は、後になってイランを裏切ることになる不誠実な外相発言となるだろう。
このまま行けば米国は8月7日にイラン制裁に踏み切る。
そして日本に対し、制裁に同調するようにあらためて求める。
そうなれば日米同盟最優先の安倍政権は制裁に従わざるを得ない。
イランはイラン核合意を履行している。
だから米国の制裁は一方的だ。
そう河野外相はザリフ外相に言ったばかりだ。
そしてその河野発言を真に受けて、ザリフ外相は、イランを支持してくれてありがとうと感謝したのだ。
いやしくも河野外相は、外相同士の言葉として、米国の一方的なイラン制裁について、もし8月7日にそれが発動されたら、賛成できないはずだ。
私はこの河野発言を記憶にとどめておきたい。
そしてもし日本が米国の制裁に同調するようなことになれば、あの時の河野発言は何だったのかと追及するつもりだ。
イランとも米国ともいい顔をしようとした河野外相は、8月7日以降、米国とイランが対決するようになった時、苦境に立たされるだろう(了)
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