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「軟弱地盤の辺野古沖」こそ辺野古阻止の最強の決め手だ

 ついに、きのう7月27日、翁長雄志沖縄県知事が辺野古埋め立て承認撤回という「切り札」を切った。

 これは翁長知事にとって「最後の切り札」であるかもしれないが、同時に最強の切り札でもある。

 翁長知事が承認撤回の理由にあげた中に「埋め立て海域に軟弱な地盤がある可能性が指摘されているのに、国が沖縄県との協議に応じない」ことがある。

 これこそが、撤回理由の最大の理由なのだ。

 辺野古沖を埋め立てて、人工的に飛行場を造ることができない最大の障害なのだ。

 そこには政治的要素の入り込む余地はない。

 科学的に検証すれば、客観的な答えが出るはずだ。

 米国の専門家を入れて第三者機関に調査させればいいのだ。

 そうすれば辺野古工事は不適格となるだろう。

 米国政府も、米国世論の前に、専門家の科学的意見を無視して強行できなくなる。

 米国政府が見直すと言い出せば、それで決まりだ。

 そのことをきょう7月28日の朝日新聞が社説で次のように詳しく説明してくれている。

 「・・・今回、県に『撤回』を決断させた最大の要因は、今月初めに沖縄防衛局が県側に部分開示した地質調査報告書の内容だ。埋め立て用の護岸を造成する沖合の一部が、砂や粘土でできていて、想定とは大きく異なる軟弱地盤であることを示すデータが多数並んでいた」と。

 「地盤工学の専門家によると、難工事となった東京・羽田空港の拡張現場の様子に似ていて、『マヨネーズくらい』の軟らかな土壌が、深さ40メートルにわたって重なっている。政府が届けている設計や工法では建設は不可能で、その変更、そして費用の高騰は避けられない」と。

 「驚くのは、報告書は2年前の3月に完成していたのに、政府は明らかにせず、県民や県の情報公開請求を受けてようやく開示したことだ」と。

 とんでもない話である。

 さらに言えば海流の速さというのもあるらしい。

 羽田だけではなく関西空港も同じ問題があり、今でも地盤が沈下し続けているという。

 これでは、いくら工事を進めようとしても、その後からすぐに埋め立てが流れ、崩れていくのではないか。

 素人でも容易に想像できる。

 菅官房長官は27日の記者会見で、例によって「移設に向けた工事を進めていくという考え方に何ら変わりはない」と強硬姿勢を崩していないが、技術的に難しい工事をどうして強行できるのか、そう追い詰められたら、たちどころに行き詰まるだろう。

 政治的な理由でいくら反対しても、安倍・菅暴政コンビは1強に任せてごり押しする。

 しかし、技術的、専門的に無理なものは、いくら安倍・菅暴政コンビでもごり押しできないのだ。

 ごり押しすれば、そのつけは何倍にもなって返って来るだろう。

 今度の翁長知事の承認撤回表明は、最後の、しかし、最強の、辺野古阻止の切り札である(了)

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