7月14日の日経新聞に、小さな記事であったが、とんでもない記事を見つけた。
「放射性物質含む水処分 海洋放出など議論」という見出しのその記事の要旨はこうだ。
すなわち、7月13日に、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題を検討する政府の有識者会議が開かれ、放射性物質トリチウムを含む水処分に向けた本格的な議論が始まった。
政府は処分方法として海洋放出が最も現実的と見ている。
水処分を急ぐのは、敷地内にためるタンクが増え続け、近く敷地いっぱいになるとみられているためだ。
トリチウムは水素と似た性質を持ち、自然界にも存在する。国の基準で定められた1リットル当たり6万ベクレルの濃度に薄めれば海洋に流す事が出来る。日本を含む世界の原発や再処理工場で今も排出されている。
有識者会議は2013年から2年半を費やし、技術やコスト面から海洋放出が最も合理的であるという趣旨の報告書をまとめたが、風評被害を懸念する地元漁業者を中心とした反発が強く、政府は結論を先送りしてきた。
以上が、日経新聞の記事の要旨である。
この記事の言わんとするところは、誰が見ても明らかだ。
もはや、これ以上結論を先送りするわけにはいかない。
原発反対もマンネリになって来た。
野党もバラバラだ。
いまさら風評被害でもあるまい。
安倍政権を批判する連中は、安倍政権のやる事に何でも反対だから、気にする必要はない。毒を食らわば皿までだ。この際一気にやってしまえ。
そういう安倍政権の悪だくみが、この日経新聞の記事からはっきり読みとれる。
ご丁寧に、この日経の記事には次のようなくだりがある。
13日開かれた有識者会合では、事務局が国民からの意見を聞く公聴会を8月末に開くと表明したと。
8月30日に福島富岡町、同31日に郡山市と東京で開かれると。
公聴会が開かれるときは決まってその後で強行されるのが常だ。
その通りだ。
公聴会と名のつくものはすべてアリバイづくりと相場が決まっている。
それにしても、原発反対者や野党はなめられたものだ。
原発ゼロで意気投合したらしい小沢一郎と小泉純一郎は、はたしてこの暴挙を止められるのか。
いや、そもそも止めようと行動を起こすのだろうか(了)
No commented yet.