日米首脳会談後の共同記者会見の模様を聞きながらリアルタイムで書いている。
この共同記者会見は重要だ。
なぜならトランプ大統領が主導した共同記者会見であり、通訳なしの記者会見であったからだ。
そこでトランプ大統領が米国記者の質問に対して語った事がすべてだ。
それをひとことで言えば、安倍首相に恥をかかせないように日米連携の重要性を繰り返したが、もはやトランプ大統領の方針は決まっているということだ。
私が注目したのは4点だ。
トランプ大統領が真っ先に語った事は、制裁の重要性を認めながら、もはやこれ以上の制裁は必要ないと言い切ったところだ。
これは金正恩の対応に満足しているということだ。
もはや米朝首脳会談の決裂はない。
二つ目は、非核化よりも朝鮮戦争終結を先行させると口にしたところだ。
これには驚いた。
これは、非核化については時間がかかる事を認めた上で、朝鮮戦争の終結は決断一つで出来ると言ったも同然だ。
今度の米朝首脳会談の目玉は北朝鮮の非核化ではなく、朝鮮戦争の終結宣言になる。
それを受けて、非核化交渉が時間をかけて行われるということだ。
安倍首相にとって最悪のシナリオになる。
三つ目はトランプ大統領が日米貿易問題に触れ、日本企業は米国にもっと投資しろと述べた事だ。
日本のメディアは一切触れようとしないが、トランプ大統領が安倍首相との首脳会談に応じた最大の理由は、米朝首脳会談についての共同歩調の確認などではなく、貿易赤字解消について要求する事だったということだ。
米朝首脳会談の後は、日米経済問題が日米間の最大の問題として浮上してくるに違いない。
四つ目は対イラン制裁に言及した事だ。
トランプ大統領にとってはイランの非核化の方が重要なのだ。
イランの非核化を成功させるためにも、北朝鮮の非核化は失敗が許されないのだ。
私が驚いたのは、ここまで重要な発言をトランプ大統領がしたというのに、NHKが報道しただけで、他のメディアはまったく報じなかったところだ。
しかもNHKの報道でさえ、安倍首相の発言ばかりを流した。
まるで安倍首相の立場を代弁する事を優先しているごとくだ。
これでは日本国民は何もわからない。
安倍首相は外交でよくやっていると勘違いさせられる。
果たして明日の各紙の朝刊は、この共同記者会見のトランプ大統領の言葉をどう評価して報じるだろうか。
このままでは安倍首相の日本は歴史的な北東アジアの変化の中で取り残されて行く。
米朝首脳会談がうまく行っても日本の貢献はどこにもなく、もし米朝首脳会談がうまくいかなければ、その失敗の原因はすべて日本のせいにさせられるだろう。
安倍外交破れたり、である(了)
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