トランプ大統領にとって、北朝鮮の非核化問題と並んでイランの非核化問題が大問題になっている事を知っている者は事情通だ。
すなわち、欧米6カ国とイランが2015年に結んだ核合意の見直しの事である。
そして、トランプ大統領の判断が下されるとされる5月12日が迫っている事を知っている者はさらに事情通だ。
そうなのである。
米朝首脳会談が開かれ、北朝鮮の非核化について方向が見えてくるのは5月末-から6月上旬だが、その前にイランの非核化問題が動く。
もしトランプ大統領がオバマ大統領の合意を反故にして、イランの非核化に向けて強硬な態度を打ち出し、それに従わないイランに再び制裁を課すよう事にでもなれば、北朝鮮の非核化歓迎ムードが吹っ飛ぶほど世界は暗転する。
そして、その懸念が大いにある。
イスラエルはイランの核保有を決して認めないからだ。
そして、そのイスラエルは、イランは密かに核開発を進めていると世界に告発した。
トランプ大統領はそんなイスラエルを全面的に支持している。
おまけにトランプ大統領はパレスチナ問題で強硬姿勢を打ち出しパレスチナの人民蜂起を誘発している。
そして、イランは、核問題とパレスチナ問題の両方で、決してイスラエルに屈しない。
アジア(北朝鮮)の非核化問題には、民族融和と中国の存在という抑止力が働くが、中東(イラン、イスラエル)の非核化問題には抑止力は見当たらない。
果たして5月12日にトランプ大統領はどのような決断を下すのか。
そして、その判断が北朝鮮の非核化の行方にどう影響を与えるのか。
それよりも何よりも、イランの非核化問題が中東危機につながり、それが世界の危機につながらないのか。
米朝首脳会談の前に、5月12日に世界が固唾をのむ事になる(了)
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