きょう5月1日の朝日新聞がソウル発として一段の小さな記事を掲載した。
その記事は、きのう4月30日の北朝鮮労働新聞が米政府を非難したと言う記事だ。
すなわち、北朝鮮が4月20日に核実験とICBM発射実験を停止すると宣言したにもかかわらず、非核化が実現するまで北朝鮮への圧力を維持するという姿勢を変えない米国を次のように非難したというのだ。
「我々の積極的で誠意ある平和愛好的な努力に対する愚弄、冒とくである」と。
この記事を見て私は驚いた。
米朝首脳会談を前にしてこんなに米国を非難して大丈夫かと。
これを見たトランプ大統領は怒り出して、米朝首脳会談が台無しにならないかと。
しかし、そうはならないと私は思い直した。
なぜか。
北朝鮮は非核化を決めている。
その事はポンペイCIA長官(当時)を通じてトランプ大統領にも伝わっている。
だからトランプ大統領は非難されても怒らない。
逆に言えば、米朝首脳会談は予定通り行われ、成功することを北朝鮮は知っているからこそ、北朝鮮は正論で米国を非難したのだ。
いや、けん制のメッセージを送ったのだ。
すなわち、北朝鮮はトランプ大統領の要求通り非核化すると決めた。
そのことによってトランプ大統領の功績づくりに貢献する。
それなのに、相も変わらず北朝鮮への警戒を緩めないなら、もとに戻らざるを得なくなるかもしれない、それでいいのかと。
トランプ大統領も、いまや国務長官になったポンペイ氏も、それはわかっている。
だから、トランプ大統領もポンペイ国務長官も、建前では非核化への圧力は緩めないと言い続けるが、これ以上の北朝鮮非難はしないだろう。
問題は日本だ。
日本は、今度の南北、米朝首脳会談について、何の情報も、何の取引材料も持ち合わせていないにもかかわらず、圧力強化ばかりを言いふらしている。
労働新聞の批判は、そんな日本に対する掛け値なしの非難なのだ。
困るのは安倍首相だ。
拉致問題解決のための日朝首脳会談が控えているからだ。
この労働新聞の記事を知って安倍首相は、さぞかし震え上がったに違いない。
安倍首相がまともならそう感じるはずだ。
ところが、ひょっとして、すべてに鈍感な安倍首相は、そのことすら気づかず、この期に及んでも、対北朝鮮圧力に終始するのかもしれない。
その結果日本はますます取り残されて行く。
救いがたい日本外交である(了)
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