きょう4月9日発売の週刊現代(4月21日号)の「ジャーナリストの目」連載第381号で森功氏が教えてくれた。
大阪地検特捜部関係者が森功氏に漏らしたと言う。
森友事件は3月に不起訴処分で終わらせるはずだったと。
ところが朝日新聞のスクープ報道で方向転換をせざるを得なくなったのだと。
この記事には驚いた。
私は朝日にスクープのネタ元は大阪地検特捜部による内部告発ではないかとてっきり思っていたからだ。
ところがそれどころか、大阪地検特捜部は朝日のスクープを見て、3月末の不起訴処分を見送ったというのだ。
大阪地検特捜部はすでに昨年の4月から関係者からの事情聴取や資料押収で改ざんの事実をつかんでいたという。
押収したパソコンのデータ解析が文書改ざんの決め手になったという。
それにもかかわらず、官邸の圧力により3月末の不起訴処分が決定済みだったという。
それが朝日のスクープで見送られたというのだ。
と言う事は、朝日は大阪地検特捜部とは別の誰から得た確かな情報で、あのスクープ記事を書いた事になる。
その誰かとは誰か。
財務省の内部告発しかない。
そしてその財務省の告発者と言えば自殺した近畿財務局の男性職員以外には考えられない。
だからこそ朝日新聞はスクープ情報の情報源について黙して語らないのだ。
私にそう確信させた週刊現代の森功氏の「ジャーナリストの目」だったが、いまから思えば、ちょうど一週間前に送られて来た月刊情報誌「選択」の「政界スキャン」連載398号の記事が極めて暗示的である。
その記事は、NHKの独自取材を引用して、近畿財務局職員が残したとされるメモ(遺書)の内容について次のように書いていた。
「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ、上司に書き直させられた」
「勝手にやったのではなく、財務相からの指示があった」
「資料は残しているはずで、ないこことはあり得ない」
「このままでは自分一人の責任にされてしまう」
「冷たい」
などと書かれていたという。
このメモ、つまり遺書は、警察が押収し、検察にわたっているはずだ。
遺族がそれを見たかどうかわからないが、おそらく口止めされているか、それとも遺族が見る前に押収されたかどちらかだ。
しかし、このNHKの独自取材から分かるように、その内容は一部伝えられているい。
しかし、それはあくまでも聞き込みの一部情報でしかない。
その全文を知っているのは警察、検察であり、もちろんそれら組織から官邸に報告されているに違いない。
このメモ(遺書)の全文が公開すれば、文書改ざんのを支持した責任者がおのずと明らかになる。
佐川元国税庁長官をはじめとした関係者のおためごかしの証人喚問など吹っ飛ぶことになる。
なぜ野党はメモ(遺書)の公開を政府に求めようとしないのか。
なぜ朝日新聞は情報源を明らかにしないのか。
なぜメディアは自殺した職員のメモについて、もっと騒がないのか。
故人に対する冒とくと考えて封印するのは、むしろ故人が命を懸けて訴えた遺志に反するのではないか。
「選択」のその記事は、「殺人組織」の責任者は、理財局長だった佐川国税庁長官と麻生財務省だと書いている。
しかし、本当の責任者は安倍首相夫妻だ。
やはり近畿財務局職員の自殺は大きかった。
だからこそ、このメモ(遺書)については野党でさえ触れないのかも知れない。
さぞや故人は無念であるだろう(了)
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