私は昨日3月16日のブログで書いた。
韓国との貿易赤字削減交渉がうまく進まない場合には、在韓米軍の削減や撤退を検討する考えを示唆したトランプは軽率だと。
そんな事を言えば文在寅大統領に切り返されると。
だからこそ南北首脳会談と米朝首脳会談を成功させなければけないのだと。
南北関係が改善し、米朝関係が改善すれば、在韓米軍の必要性もなくなる。
そうなれば、米国も韓国も、北朝鮮も、予算を国防に使う必要性も減じる。
皆が歓迎できるウィンウィンの関係になると。
しかし、そう決めつけた私がどうやら浅はかだったようだ。
まさしくトランプ大統領は、この文在寅大統領と同じ事を考えているののではないか。
そう思わせてくれる記事を、きょう3月17日の読売新聞に見つけて、目から鱗が落ちた思いだ。
ワシントン発海谷道隆記者が書いていた。
トランプ大統領は14日、支持者らとの会合で貿易赤字削減交渉がうまく進まない場合には在韓米軍の削減や撤退を検討する事に含みを持たせる発言をしたと。
ここまでは、すべての報道が伝えている通りだ。
しかし、海谷道隆記者は、その後にこう書いている。
そもそもトランプ政権内ではかねてから、在韓米軍の削減・撤退については検討対象になっていたと。
中国が北朝鮮の核開発計画を凍結させる交換条件として、在韓米軍の撤退を検討しても良いとの見解を示したことがあると。
その背景には、約2万8500人とされる在韓米軍の主な任務がもっぱら朝鮮半島の有事対応に限られ、陸軍主体で韓国に張り付いているから、米国にとって負担感が強いとの問題意識があるのだと。
なるほど。
そうであれば、わざわざ中国に頼まなくても、直接南北朝鮮と話し合って在韓米軍削減・撤退の環境を整えばいいのだ。
中国に頭を下げて取引する必要はない。
私がこの海谷記者の記事で最も注目したのは、その後に続く次のくだりである。
すなわち、海谷記者はこう書いている。
「(在韓米軍は)各地域に機動的に展開する海兵隊や空軍主体の在日米軍とは位置づけが多いに異なる」と、
だから「(在韓米軍は)朝鮮半島の緊張が解ければ、必要性が大幅に低減するとの事情がある」のだと。
このくだりが意味することは深く、大きい。
この事は、裏を返せば、在日米軍については、貿易赤字とは関係なく、そして朝鮮半島の緊張があってもなくても、撤退しない、させられないということだ。
言い換えれば、在日米軍は日本を守るためにあるのではなく、世界をにらむ米国の安全保障政策のためにあるということだ。
もし南北首脳会談と米朝首脳会談がうまく行って朝鮮半島の緊張がなくなれば、その時こそ、在日米軍の矛盾が一気に噴き出す時だ。
そんな在日米軍のために、日本の主権を放棄し、日本の予算を使う。
そんな馬鹿な事はないと、さすがの国民も気づくことになる。
どうりで、安倍首相が朝鮮半島の緊張緩和を望まないはずだ。
トランプをけしかけて米朝対話が失敗に終わる事を願うはずだ。
安倍外交の正体見たりである(了)
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