きょう8月4日の各紙はこぞって一面トップで取り上げた。
安倍首相は内閣改造直後の記者会見で憲法改正に慎重姿勢を示したと。
それほど大きな安倍首相の軌道修正であるということだ。
すなわち、安倍首相は改憲について次のように語った。
「スケジュールありきではない。党で議論し、国民と国会の議論が深まる事を期待している」
まさしく田原総一朗が言う、「政治生命をかけた決断」とはこの事だったのだ。
メディアは、北朝鮮電撃訪問などと騒いでいたが、はじめからこれしかなかったのだ。
ご丁寧に、安倍首相の側近である萩生田光一前官房長官が、これは安倍首相の軌道修正だと記者の前で解説してみせている。
9条3項改憲で自衛隊を明記する事を、安倍首相が突然言い出したのは、5月3日だった。
しかも、こんな重要な事を、憲法改正を目指す集会にビデオメッセージで登場して宣言するという傲慢さだった。
まさしく安倍一強の驕りのなせるわざだ。
ところが内閣支持率の急落で政権維持すら危うくなった。
しかも9条3項の自衛隊明記の改憲は、護憲派はもとより、保守層や自民党内部からも異論が噴出した。
安倍首相はみずから言い出した9条3項改憲で、進退窮まっていたのだ。
そんな時に、田原総一朗が「渡りに船」の助言を行った。
実際のところ、この豹変は安倍首相を助ける事になる。
公明党は喜び、小池新党との連携は可能になり、野党共闘は分断される。
9条改憲阻止を売り物にしている共産党は孤立することになる。
それにしても、「9条改憲が命」の安倍首相が、よくもここまで豹変できたものだ。
しかし、それは安倍首相にとっては朝飯前のことだ。
もともと安倍首相には首尾一貫した政治哲学などない。
9条改憲さえも、政権維持のためにはあっさり棚上げする。
そしてなぜか右翼は安倍首相にはやさしい。
どんな馬鹿な事を言っても安倍首相なら許されるのだ。
まさしく田原氏が言った通り、安倍首相しかできない決断であり、変節なのだ。
しかし、この改憲棚上げには裏がある。
小野寺五典防衛大臣が就任記者会見で明らかにした。
安倍首相から防衛大綱の見直しを支持されたと。
来年度末の改定を目指すと。
これこそが本物の9条改憲だ。
いや、憲法9条の否定である。
日米同盟の強化が加速され、日本は永久に米国の軍事占領から抜け出せなくなる。
そして、この防衛大綱の見直しを、既存の政党、政治家は、誰も正面から反対しない。
それに反対する政党は共産党ぐらいだが、共産党が反対したら国民は誰もついていかない。
いよいよ、新党憲法9条の出番は待ったなしである(了)
天木さん、現在の憲法九条のままで、事実上の解釈改憲状態をこれ以上、許容できますか。あなたも外交官の御経験上、戦後日本が経済的にはそれなりに一目置かれ、キャッシュディスペンサー役としてだけ、利用され撒くって来た事は肌身で感ずて来られた事でしょう。50年代以降、ソ中との覇権争いの過程で、米国もマッカーサー三原則の中核を成す日本の「非武装化」を謳った九条に、苦しめられていく。戦後のドサクサの中で米国自らがネガを示し急造させた憲法が、結果的にその後、米国の極東地域における立場を危うくさせるのだから。日本も出自の不透明な憲法を逆手に、米国の核の傘の下、米国の軍事力を背景にした日米安保体制で、サバイバルを模索して来た。極東への赤色化抑止の防波堤として、米国からの日本への再軍備要求を受け、同時に安保闘争を始め政権批判を続ける反対勢力を懐柔する為の苦肉の策が、自民党がその後採り続けていく解釈改憲だった。でも、それが様々な混乱を来す元凶にもなった事は否めない。昨今の諸問題の一つ、稲田朋美の嘘の上塗りドタバタ猿芝居劇も、憲法を巡り、戦後、自身を偽り逃げ続けて来た、日本人の「虚構の精神構造」上に位置付けられる。戦闘状態で何も出来ぬ自衛隊なんて、そりゃあ、話にならんでしょう。それは、現場では「迷惑」そのモノ以外、何物でもないでしょ。自衛隊員が一番、いい迷惑を被っている。そう思いませんか、天木さん。
天木さん、現在の憲法九条のままで、事実上の解釈改憲状態をこれ以上、許容できますか。あなたも外交官の御経験上、戦後日本が経済的にはそれなりに一目置かれ、キャッシュディスペンサー役としてだけ、利用され撒くって来た事は肌身で感じて来られた事でしょう。50年代以降、ソ中との覇権争いの過程で、米国もマッカーサー三原則の中核を成す日本の「非武装化」を謳った九条に、苦しめられていく。戦後のドサクサの中で米国自らがネガを示し急造させた憲法が、結果的にその後、米国の極東地域における立場を危うくさせるのだから。日本も出自の不透明な憲法を逆手に、米国の核の傘の下、米国の軍事力を背景にした日米安保体制で、サバイバルを模索して来た。極東への赤色化抑止の防波堤として、米国からの日本への再軍備要求を受け、同時に安保闘争を始め政権批判を続ける反対勢力を懐柔する為の苦肉の策が、自民党がその後採り続けていく解釈改憲だった。でも、それが様々な混乱を来す元凶にもなった事は否めない。昨今の諸問題の一つ、稲田朋美の嘘の上塗りドタバタ猿芝居劇も、憲法を巡り、戦後、自身を偽り逃げ続けて来た、日本人の「虚構の精神構造」上に位置付けられる。戦闘状態で何も出来ぬ自衛隊なんて、そりゃあ、話にならんでしょう。それは、現場では「迷惑」そのモノ以外、何物でもないでしょ。自衛隊員が一番、いい迷惑を被っている。そう思いませんか、天木さん。