いま我々が目にしているのは防衛省という組織の未曽有の混乱である。
稲田大臣に、刺し違え覚悟の辞任をまっさきに表明したのは岡部陸幕僚長だった。
こうなれば稲田大臣も辞任せざる得ない。
いや、本当のところは安倍首相によって、もはや辞任しかないと引導を渡されたのだ。
ここまでの混乱を招いてしまった以上、防衛官僚トップの黒江事務次官の引責辞任もまた避けられない。
ところが、メディアが一切言及しない事がある。
それは河野克俊統幕議長の責任問題だ。
統幕議長は、陸幕長の上に立つ制服組のトップだ。
実際のところ、「戦闘」という言葉を軽々に使うなという指示を出したと一部報道されていた。
そうでなくとも、部下の岡部陸幕長が引責辞任し、文官のトップの黒江事務次官が引責辞任した以上、河野統幕議長の責任が不問のままであることはあり得ない。
それにもかかわらず、どの記事を見ても河野克俊統幕議長の責任に言及したものはない。
なぜか。
わたしには分からない。
しかし、はっきりしている事は、河野統幕議長が米国との関係が良好であるということだ。
そんな河野統幕議長を評価して、本来ならば岡部陸幕長が持ち回りで統幕議長になるところを、安倍首相は河野統幕議長の任期を二度も延長していることだ。
果たしてきょうにも公表される特別防衛観察に、河野統幕議長の責任についてどのような言及があるのか、ないのか。
私にとって最大の見どころである(了)
北朝鮮が危機的状況だと言っていながら、こののんびりした政府と防衛省、普通は安倍首相と河野統幕議長の二人が、この混乱を預かり、原因と課題の検証を速やかに発表し、同時にトップ二人の身の処し方を自ら国民に述べるべきです。
安倍首相のお仲間たちが、自衛隊を今の憲法が日陰者扱いしているとか、護憲派は現状認識していないというが、日本が戦力を使わなければならない現状であれば、稲田氏を防衛大臣にしなかったでしょう。生死がかかる自衛隊に、そんなことは人道的にも出来る訳がありません。
安倍首相も稲田氏も、強がりを言っているが、心のそこでは憲法9条の存在を頼りにしているから務まっているのです。
南スーダンPKOが海外も戦闘地域と報道されていたのに、頑として戦闘と認めないことがあったり、政権の都合で撤収を決める一貫性のなさも問題です。