私は4月10日のブログで書いた。
トランプのシリア攻撃は安倍首相の4月訪ロを吹っ飛ばしたと。
それを読んだのかどうかは知らないが、その日の午後に発売された日刊ゲンダイが大きく書いた。
「プーチン激怒 安倍訪ロ中止か」と。
4月10日に予定されていた英国外相の訪ロが中止されたことや、ロシア政治専門の中村逸郎筑波大学教授の「安倍首相が真っ先にトランプ大統領の決意を支持したことはロシアでも報道されています。安倍首相の訪ロは中止になると思います・・・」という言葉を引用して、訪ロどころの話ではないと書いた。
しかし、私がメルマガ言いたかったことは、訪ロが中止になるという事ではない。
むしろ逆だ。
それでも安倍首相は厚かましくも予定通り4月27日に訪ロするだろうという事だった。
なぜか。
訪ロを取りやめ、予定されていた首脳会談を止める、などいう外交失態を安倍首相がみずから行うはずがない。
国際社会の非難が集中しているプーチンの方から、安倍首相の訪ロを断ってくることはありえない。
そして大手メディアは一切訪ロ中止という事を書かない。
ということは、安倍首相は予定通り4月27日に訪ロするということだ。
そして、安倍首相には格好の口実が見つかった。
イタリアで開かれていたG7外相会議が、11日、ロシアへの強硬政策を取ることなく、引き続きロシアの対シリア政策の見直しへ説得を続けることに合意したからだ。
何よりも親分である米国のティラーソン国務長官が初訪ロし、12日にラブロフ外相とシリア政策について協議するからだ。
もちろん、これらの協議がうまくいく保証はない。
それどころか米ロのシリア政策をめぐる対立は平行線に終わる可能性が高い。
だからこそ、その後の安倍首相の訪ロが意味を持つのだ。
プーチンとトランプの両首脳と個人的信頼関係を構築したのは安倍首相ぐらいのものだ。
その安倍首相が米ロの橋渡し役をする。
いまやG7の首脳の中では、メルケルに次いで最長の経験を持つ安倍首相だだ。
だからこそ、G7とロシアの関係改善に貢献できる。
そう言って、大きな顔をして訪ロする。
そして、それを大手メディアがそのまま報道する。
こういうシナリオが出来上がっているのである。
もちろん、それらはすべてウソだ。
安倍首相に米ロやG7とロシアの橋渡しなどできるはずがない。
訪ロの目的である北方領土問題の進展などあり得ない。
しかし、このタイミングの訪ロは意味がある。
そう強弁した者が勝ちだ。
そう書いた者が勝ちだ。
果たして安倍首相訪ロに関する大手メディアの報道は、どのようなものになるのだろうか。
それはまもなくわかる(了)
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