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野党は台湾に関する日中基本合意の開示を求めよ

 岸田外相は28日の閣議後の記者会見で語ったらしい。

 赤間二郎総務副大臣が公務で台湾を訪れたことについて、「我が国の台湾に対する基本方針に反するものではない」と。

 私が書いた事に反応したのではないか。

 そう思えるほどのタイミングのよさだ。

 しかし、この発言だけでは何のことかわからない。

 約束を破ったという中国の抗議への反論にもならない。

 野党はこの岸田外相の記者会見の発言を見逃してはいけない。

 すかさず国会で次のように追及すべきだ。

 まず、ここでいう「台湾に対する基本的な方針」とは具体的にどういうものなのか。それを文書で明らかにするよう求めるべきだ。

 そして、同時に、日中間で合意されたと言われる「台湾に関する日中基本合意」の開示を求め、岸田外相が言う「我が国の台湾に対する基本方針」が、「台湾に関する日中基本合意」に沿ったものである事を、岸田外相の口から説明させるべきだ。

 そうすれば王毅外相はすかさず反論して来るだろう。

 そこではじめて、今回の赤間二郎総務副大臣の公務で台湾を訪問した事に関する中国の批判が正しいのか、あるいは間違っているのかを、明らかにしなければいけなくなる。

 おそらく岸田外相は、「台湾に関する日中基本合意」の開示を、相手国もあることだから開示は出来ないと、断るだろう。

 それなら野党は中国政府に要請すればいい。

 中国政府は要請に応じるだろう。

 赤間二郎総務副大臣の台湾訪問は約束違反だと抗議している以上、自らの正しさに自信があれば、日中合意を開示してそれを証明しようとするからだ。

 すべては台湾に関する日中間の基本合意がどのようなものであったかで決まる。

 野党は日中合意の開示を安倍首相・岸田外相に要請すべきだ。

 しかし、野党には、そういう問題意識はないだろう。

 森友疑惑追及でとてもそれどころではないに違いない。

 こうして赤間二郎総務副大臣の公務での訪台という、本来はとても大きな外交問題が、何もなかったかのように忘れられてしまうのである(了)

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