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オバマの真価が問われるのは今だ

 トランプの入国拒否大統領令が世界の反発を招いている。

 それはそうだろう。

 滞在許可や就労資格を持っている者まで規制し、家族の再会さえも拒む。

 今回の移民入国拒否は、次々と繰り出されるトランプ大統領令の暴政の中でも、最悪のものだ。

 そこで思い出されるのが10日ほど前のウォールストリートジャーナルの記事だ。

 私の手元に一枚の新聞記事の切り抜きがある。

 それは、キャロル・E・Leeという記者が書いたウォールストリートジャーナル(1月20日ー22日付アジア版)の記事の邦訳を転載した、1月26日の毎日新聞の記事だ。

 その時は対して気に止めずに読み流したのだが、今その記事が鮮やかによみがえった。

 そこには要旨次のような事が書かれている。

 すなわち、大統領職を離れたら通例はワシントンを去るものだが、オバマ大統領は娘のサーシャさんが転校せずに高校を終えられるようにするため、ワシントンに居を構えるという。

 しかしワシントンにとどまるのには、もう一つの理由があるという。

 オバマ氏の側近によれば、「彼はトランプ大統領の一つ一つの決定にコメントするつもりはないが、医療保険制度や移民問題など、非常に重要だと思う問題が持ち上がれば、意見を表明する」と述べていたことを明かしたと。

 実際のところ、オバマ氏は退任直前の1月18日の記者会見で、幼少期に米国に入った不法移民約75万人を強制退去から守り、更新可能な2年間の就労資格を与える措置について、トランプ政権が撤廃に動くようなことがあれば、黙ってはいないと、次のように宣言したのだ。

 「我々が勝手気ままに、あるいは政治的理由から、何も悪い事はしていないこれらの若者を罰するようなことがあれば、私は声をあげる価値があると思う」と。

 いまこそ、その時だ。

 8年間のオバマ大統領の本当の真価が問われるのは、まさしく今をおいて他にない(了)

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