陸上イージス撤回という前代未聞の安保政策の変更から一夜あけ、きょうの各紙が一斉にそのこと取り上げている。
その中で私が注目したのは、産経の「北ミサイルに対応困難」と言う記事だ。
そこにはこう書かれている。
イージス・アショアは装備の有効性に疑問符が付き始めている。北朝鮮が昨年、通常より低い高度を飛行するディプレスト軌道をとり、下降中の終末段階で変則的に上昇したのちに落下する可能性のある新型短距離弾道ミサイルを4回にわたり8発撃ち、技術的向上を誇示したからだ、と。
これを要するに、これまでの迎撃ミサイルでは防ぎきれなくなるおそれが出て来たのだ。
そこでハタと気が付いたのは、数日前のサウジとイランに関する報道だ。
その報道は、今年のはじめに、米国とイランの一触即発の危機の中で起きた、何者かによるサウジアラビアへのミサイル攻撃が、実はイランからの攻撃だったことがわかった、という報道だ。
やはりイランからの攻撃だったことのだ。
あの時の報道では、ミサイルの軌道が低高度だったため、米国から高い金を払って導入したサウジアラビアの迎撃ミサイルでは防げなかった、と衝撃が走った。
ミサイル迎撃システムの盲点だと騒がれた。
いうまでもなく北朝鮮とイランは軍事的に結ばれている関係だ。
つまり、米国自身が自らの迎撃システムの不備を認め、改良しようとしているのだ。
これで合点がいく。
今度の地上イージスの白紙撤回は、河野防衛相の独断ではない。
安倍首相も了承した上での白紙撤回だ。
そして、それが、北朝鮮やイランのミサイル攻撃によりよく対応するための米国迎撃システムの改良の必要性からくるものであるから、米国が文句を言ってくおそれもない。
すべては米国の安保政策の都合に振りまわされているのだ。
デニー玉城沖縄県知事は、この機会に辺野古建設も白紙撤回すべきだと訴えている。
しかし、迎撃ミサイルシステムの改良と辺野古建設中止とは、米国の立場がまるで違う。
迎撃ミサイル受け入れ計画の白紙撤回は米国の計画変更に従うものであるが、辺野古建設阻止は中止は米国の意向に反する。
日本の安保政策はすべて米国次第である。
それが明らかになった地上イージス計画の白紙撤回である(了)
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