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「五輪経費の日本負担」がここまで大きなニュースになる理由

 国際オリンピック委員会(IOC)が20日、自らの公式サイトで、安倍首相が五輪延期に伴う経費負担に同意したとの見解を明らかにしたらしい。

 これを知った日本政府は、政府をあげて、あわててその事実を否定し、IOCはその部分を削除してあっと言う間に収まったようだ。

 どちらが正しかったのか。

 それは、この手の問題がいつもそうであるように、永遠にやぶの中で終わる。

 そして、いずれにしても、最後は日本側とIOCの双方が分担することになるので、安倍首相が同意したかどうかは、どうでもいい事になって忘れ去られる。

 私がここで指摘したいことは、なぜこんな問題を、日本政府が否定に躍起になって否定し、それをメディアがさも重要な事のように報じたかだ。

 ズバリ、それは政局に絡むからである。

 結論から言えば、私は安倍首相がどこかで、何らかの形で、バッハ会長に日本の負担を約束したと見ている。

 報道によれば延期による追加費用は3000億円ほどだ。

 そのうちIOCは数百億ドルの負担をすることをすでに明らかにしている。

 あれほど必死になって1年延期を頼み込んだ安倍首相にとって、その差額を負担する事はお安い御用ではないのか。

 喜んで負担してもいいはずだ。

 そして、そういう意向を口走っていたのではないか。

 しかし、もし、それが事実なら大問題になる。

 ただでさえ、東京五輪開催を私物化しているという批判が強い。

 しかも今度の1年延期の裏には安倍首相の強い働きかけがあった。

 しかし、いま、日本はコロナ危機で撃を受け、経済は壊滅し、国民生活は困窮に追い込まれている。

 それを救うために財政赤字の拡大は必至だ。

 そんな時に、もし安倍首相が、政府の正式な決定もないままに、延期費用の負担を勝手に約束していた事が明るみになれば、国民の怒りは頂点に達し、今度こそ辞任に追い込まれる。

 つまりIOCの公式サイトの文言は、安倍首相の政治責任に直結する大問題になりかねない文言だったのだ。

 だから猛烈な勢いで削除を要求した。

 IOCも事の重大さを知ってすぐに削除した。

 そして、その時に合意しているはずだ。

 この問題は引き続き協議することを内外に発表して終わらせようと。

 どうせ残りは日本側が負担する事になるから安心してほしいと。

 この私の見立ては的外れで、IOCの単純なミスだったのだろうか。

 いずれにしても、二度とこの問題はニュースに取り上げられることはないだろう(了)

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