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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■ 天木直人のメールマガジン2019年9月30日第655号
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きょうの各紙が一斉に報じた。
きのう9月29日、河野防衛相は沖縄県庁を訪れて玉城知事に辺野古移設について理解を求めたと。
これに対して玉城知事は辺野古反対の県民の意思は変わらない、工事は中断すべきだと応じ、会談は平行線に終わったと。
この記事を読む限り、さぞかし会談は厳しいものに終始したかの如くだ。
しかし、この会談を報じるきょう9月30日の毎日新聞はこういう言葉で始まっていた。
「約30分間の会談は報道関係者にすべてが公開される『沖縄方式』で行われた。玉城氏は衆院議員時代に河野氏とともに、党派を超えて脱原発の活動に取り組んだ間柄でもあり、会談は和やかな雰囲気で始まった・・・」と。
何のことはない。
すべてはセレモニーなのだ。
毎日新聞の記事はさらに続ける。
和やかな雰囲気で始まった会談は、話が辺野古移設問題におよぶと厳しくなったと。
お互いに譲らなかったと。
これが、会談を公開した沖縄方式なのだ。
新聞はこれが書きたかったのだ。
しかし、お互いにどう譲らなかったのか。
河野外相は普天間の全面返還のために辺野古移設はやらなくてはいけない。それが一番の安全対策であると。
これに対し、玉城知事は、次のように辺野古中断を譲らなかったと。
将来の世代まで日本全体の70・3%の米軍基地を預かり続けるわけにはいかないと。
日本全体で安全保障を担うためにはどうすればいいいか考えて欲しいと。
何度聞かされたやりとりだろう。
首相が変わり、大臣が変わり、知事が変わっても、同じやりとりの繰り返しだ。
もはや完全な歌舞伎芝居だ。
なぜ河野外相は本当のことをしゃべらないのか。
日米同盟を最優先政策として受け入れる以上、米軍の要求に従うしかないだろうと。
なぜ玉城知事は本当のことをしゃべらないのか。
それなら日米同盟最優先を見直し、沖縄県民最優先の政策をとるべきだと。
メディアは本当の事を書くべきだ。
辺野古移設問題は、とりもなおさず日米同盟最優先の日本の政策の是非の問題だと。
この問題の是非をめぐる国民的議論なくしては辺野古問題の真の解決はあり得ないと。
政府も沖縄も、政権や大臣や知事が変わるたびに、もうこれ以上就任セレモニーのように芝居を繰り返してはいけない。
メディアも、そんな芝居を報じ続けてはいけない。
みな、本気で仕事をしなければいけないのである(了)
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