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元外交官の血が騒ぐ今度のロ・朝首脳会談

 ついにロシア大統領府が金正恩委員長がプーチン大統領の招待で4月下旬にロシアを訪問すると発表した。

 詳細を明らかにしないところが巧妙だ。

 会談日時や場所、そして何が話し合われるかなどについて、いやがおうでも様々な憶測が乱れ飛ぶ。

 実に見事な外交だ。

 まさしく、金正恩委員長とプーチン大統領の利害が一致した首脳会談だ。

 こういう首脳外交を見せつけられると、元外交官としての血が騒ぐ。

 そして私が両首脳のアドバイザーだったら、今度の首脳会談をこう世界にアピールしろと助言する。

 すなわち、今度の訪問では非核化は一切議論に乗せない。

 あくまでもロシアと北朝鮮の経済協力強化・促進について話し合う会議だとアピールする。

 いまさら核の問題を取り上げても出口など見えないことは核保有国なら誰でもわかる。

 そんな事よりも経済開発、経済発展の方が未来志向だ。

 皆の利益になり、皆が喜ぶ話だ。

 そして経済開発といえば一帯一路だ。

 今度のロ・朝首相会談では、必ず一帯一路への協力に言及すべきだ。

 そうすることによって習近平の中国を喜ばせ、仲間に入れる。

 橋下徹ではないけれど、相手の嫌がることをするのが駆け引きの鉄則だ。

 もし今度のロ・朝首脳会談が経済協力問題に終始すれば、ポンぺオやボルトンが繰り返す「制裁解除して欲しければ完全非核化しろ」という要求はたちどころに色あせる。

 「トランプ大統領、そんな馬鹿な側近の助言に耳を傾けるのではなく、我々に参加しないか。まごまごしていると極東の経済開発に乗り遅れるぞ」とトランプ大統領を脅かす事ができる。

 「経済こそが一番重要だと言ったのは貴国のクリントン大統領だったではないか。貴殿は有能なビジネスマンではなかったのか」と当てこする。

 トランプ大統領の心は揺らぐだろう。

 それでもトランプ大統領が制裁を叫ぶようなら、金正恩委員長はは、独裁者として一枚上手のプーチン大統領に敬意し、プーチン大統領からもトランプ大統領に迫ってくれと頭を下げる。

 「ロシア疑惑を乗り切るには私の言う事に従った方がいい」と。

 もうすぐ始まるロ・朝首脳会談が、このような首脳会談になれば面白いと思っている(了)

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