「安倍首相の推薦状」事件で暴露された二枚舌外交とちょうど同じ時に、もう一つの二枚舌外交がばらされた。
それは日韓外相会談における河野外相の二枚舌外交だ。
韓国国会議長の天皇謝罪発言問題で、日本は韓国に謝罪と撤回を求めていることになっている。
河野外相は、今度の日韓外相会談でも謝罪と撤回を求めた、しかし韓国側からは返答はなかった、と日本のメディアに語り、それをメディアがそのまま流し、我々もそう思った。
ところがその日本の報道を見てすかさず韓国外相が反論した。
河野外相からは謝罪と撤回の要求はなかったと。
この韓国外相の反論に対する河野外相の歯切れは極めて悪い。
謝罪と撤回を要求する日本の立場は韓国側に十分伝わっているはずだというばかりだ。
これを要するに、謝罪と撤回を要求する日本の立場はこれまで様々な形で伝わっていると言っている(これすら疑わしいのであるが)に過ぎない。
つまり今度の外相会談でみずから自分の口からそう言わなくても言ったも同然だと言っているのだ。
韓国外相が言っているとおり、河野外相は今度の外相会談では面と向かって韓国外相に謝罪と撤回を要求しなかったのだ。
まさしく二枚舌外交だ。
河野外相の発表を、裏を取らずにそのまま流した日本のメディアは誤報させられたということだ。
そしてその誤報が韓国外相を怒らせ、否定させたのだ。
日本のメディアは、メディアの沽券にかけて、河野外相に抗議しなければ嘘だ。
かつてのメディアならメディアが結束して河野外相に釈明を迫ったものだ。
しかしいまのメディアはその気配が全くない。
メディアはメディのプライドをすっかり失ってしまったということである(了)
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