とうとうトランプの米国が中距離核戦力(INF)全廃条約からの一方的離脱を宣言した。
これは冷戦終結につながった1987年のレーガン・ゴルバチョフ間の歴史的核軍縮条約の否定だ。
歴史を逆行せる暴挙だ。
これによって核開発競争が一気に加速するだろう。
もちろん核戦争の危険は高まる。
北朝鮮の核どころの話ではない。
米中ロこそ、真っ先に核を放棄しなければいけないのだ。
しかし、私はあえてトランプのINF条約離脱宣言を歓迎する。
トランプの言う通り、米中ロであらたな核兵器廃止条約をつくらなければいけないのだ。
そうならざるを得ないのだ。
そもそもINF条約は有名無実化していた。
プーチンが、「証拠を見せろと」、と見えを切ったが、プーチンが条約に違反して核強化を進めてきたのは周知の事実だ。
それに、IFN条約には中国が加盟していない。
なぜならIFN締結時の1987年は、中国の軍事的脅威は今とは比べ物にならなかったからだ。
しかし、いまや中国は米国を脅かす一大軍事大国だ。
その中国が野放しになって核兵器開発を行っているのだから、米ロ間の中距離核兵器全廃など、冗談でしかない。
中国もロシアもわかっているはずだ。
米国と核兵器開発競争をすれば行きつく先は核戦争だ。
そこに、至らなくても、その前に、かつてのソ連がそうであったように、経済的負担で行き詰まる。
つまり、最後は、トランプの言うように、米中ロのあらたな規制が必要になってくるのだ。
それを見越した上で、いまこそ唯一の被爆国である日本がそれを世界の先頭に立って提唱すべきチャンスなのだ。
世界はそれを待ってるのだ。
私がトランプのINF条約離脱宣言を、あえて歓迎すると言うのはそういう意味だ。
そして、それは安倍首相にとってもまた絶好のチャンスなのだ。
米中ロの首脳と直接に何でも話せる仲だと豪語している安倍首相だ。
もしそうならいまこそ米中ロの首脳に対し核軍縮の仲介が出来るはずだ。
しかし、ここでも安倍首相はチャンスを見逃し三振するに違いない。
なにしろ米国の核の傘を最優先する安倍首相だ。
そんな安倍外交を、私はさんざん批判してきたからここでは繰り返さない。
問題は野党の外交不在だ。
いまこそ憲法9条を掲げて日本が核軍縮の先頭に立つべき時なのに、それを正面から主張する本物の護憲政党はなくなってしまった。
社民党は生き残りの為に統一会派を優先し、まもなく消滅する。
唯一の護憲政党である共産党さえも、野党共闘を優先して安保政策を封印してしまっている。
いまこそ新党憲法9条の輝く時だ。
「憲法9条こそ世界の最善、最強の外交・安保政策だ」と正面から唱える本物の護憲政党が、平成が終わる前に日本の政治の中に現れて来ないといけないのである。
そして、それはトランプの米国を救う事にもなる。
私がトランプのINF条約離脱宣言を、あえて歓迎する理由がここにある(了)
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