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北朝鮮外相と立ち話しかできなかった河野外相の裏話 

 今度の河野外相のアジア外遊の最大の目玉は、北朝鮮外相との会談が実現するかどうかだった。

 しかし、どうやら会談は出来ず、立ち話に終わりそうだ。

 それは河野外交の失敗ではないのか。

 誰もがそう思うだろう。

 しかし、そうではない。

 接触しただけで満足なのだ。

 その事をきょう8月4日の朝日新聞が見事にスクープ報道してくれた。

 それによればこうだ。

 日本政府代表団が宿泊するシンガポールのホテルの一室で8月3日午前に行われた勉強会で、日朝接触の段取りが協議されたという。

 その時、河野外相が問いただしたという。

 「どのタイミングで李容浩外相と会えるのか」と。

 それに対し金杉憲治アジア大洋州局長が答えたという。

 「私が誘導します」と。

 その日の夜、今度の外遊の最後の行事であるアセアン地域フォーラム参加外相が集う晩さん会があった。

 その時が接触できる可能性が最も高いと見て、金杉局長らは李容浩外相の席次を確認していたという。

 そして、河野外相はその日の晩さん会の前に李容浩外相と立ち話をすることが出来たのだ。

 これを要するに、それまでの試みで外相会談は無理と見た日本側は、外相会談をあきらめて、接触できるだけでもいいと割り切っていたということだ。

 朝日のその記事はこう書いている。

 ・・・複数の日本政府関係者によると、中国の大連や香港など第三国で外務省幹部が北朝鮮当局者と秘密裏に接触してきた『外務省ルート』は十分に機能していない。この間、もっぱら官邸主導で、河野氏と李氏との接触も『でたとこ勝負』(同省関係者)というのが実情だった。それでも同省にとっては、首相指示を前に「『会えませんでした』ではすまされない」(幹部)と身構えていた・・・

 これが立ち話外交の真相なのだ。

 つまり、すべては日朝首脳会談を実現するための工作なのだ。

 安倍首相が金正恩委員長と会談をしたがっているということを伝えるためにどうしても接触しなければならなかったのだ。

 そして接触出来ただけでよかったのだ。

 見事な安倍首相の使い走りだ。

 しかし、朝日新聞はこう書いている。

 「しかし、接触がすぐに日朝首脳会談につなげられるかは見通せない・・・日本政府には、北朝鮮の非核化に向けた米朝対話への失望感も漂う・・・米朝の核・ミサイル交渉に進展がなければ、拉致問題解決のために日朝交渉に本腰を入れるのは難しいとの声が大勢だ。日本だけが突出して北朝鮮と対話を進めることは、日米関係を考慮するうえでも得策でないとの判断がある・・・」

 驚くべき対米従属だ。

 こんな事で拉致問題の解決など安倍首相にできるはずがない。

 しかし、朝日はこうも書いている。

 「安倍首相にとって拉致問題解決に向け世論に期待を持たせることが総裁選3選の追い風となった。逆に、『日朝』で対応を誤れば、それは向かい風になる・・・」

 安倍外交は矛盾だらけであるという事である(了)

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