きのう4月10日の朝日新聞の「首相案件」記録文書のスクープ報道を受けて、その日の夕方に中村時広愛媛県知事が記者会見を開いた。
その記者会見の模様をテレビで見た私は、見事な記者会見だと思った。
これは安倍首相にとって致命的な記者会見になるのではないかとすら思った。
なぜ致命的なのか。
それは、柳瀬首相秘書官(当時)のこれは首相案件だという言葉を記録した文書の存在を認めたからだ。
なぜ見事だったのか。
「職員が文書をいじる必要性はまったくない。(職員を)全面的に信用している」と言い切ったからだ。
これこそがトップに立つ者のあるべき姿だ。
その上で、国が正直に言ったらいいのではないか、と安倍政権に情報公開を求めた。
この中村知事の対応に対し、市民団体らは、備忘録を公開せよ、みずから真実を述べるべきだ、などと批判しているがとんだピント外れだ。
知事は左翼や市民団体たちだけの知事ではない。
愛媛県民の中には保守や安倍シンパの住民もいる。
だからこそ、加計学園疑惑を晴らすべての責任は、それを招いた安倍首相と安倍自公政権だと突き放したのである。
地方の首長としては、これ以上ない勇気ある国家の首長、すなわち首相に対する異議申し立てだ。
この中村知事の記者会見に打てば響くように朝日新聞はメモの全面公開に踏み切った。
おりから前川前文科省事務次官は柳瀬秘書官の「首相案件」という言葉を聞いて、動かぬ証拠だ、安倍首相の責任は決定的だ、というコメントを出した。
前川前次官がきっかけをつくり、中村愛媛県知事がとどめを刺す。
もし、そうなれば、加計学園疑惑騒動も、日本の政治史にとって意義ある事件だったという事になる(了)
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