ロシアのウシャコフと名乗る大統領補佐官が9月1日に明らかにした事によって、我々はプーチン大統領が安倍首相と9月7日に会談する事を知った。
これをきょうの各紙が小さく報じた。
あれほどプーチン大統領との緊密な関係を誇示していた安倍首相が、なぜ今度の首脳会談についてロシアに先駆けて発表し、宣伝しないのか。
それは今度の首脳会談が安倍首相にとって宣伝にならないからだ。
それどころか、最悪のものになるからだ。
プーチン大統領は、ウシャコフ大統領補佐官が日露首脳会談を明らかにした同じ9月1日に、北朝鮮の核・ミサイル開発を圧力だけで止めるという考えは間違いだと、制裁強化を目指す日米をけん制した。
このままでは破滅的な戦争になるとまで警告したらしい。
これは物凄い日米へのけん制だ。
しかし、安倍首相はトランプ大統領と立て続けに電話会談し、トランプ大統領に北朝鮮を攻撃せよ、とばかり制裁強化をけしかけ来た。
9月7日のプーチン大統領との首脳会談が、この北朝鮮に対する政策を巡った論争になることは間違いない。
つまりトランプの米国と俺のロシアのどちらを取るか、安倍首相はプーチン大統領に迫られる事になる。
おりから米国とロシアとの関係は外交官追放や総領事館閉鎖など、極めて悪化している。
米国を取るかロシアを取るかと迫れられたら安倍首相は、二枚舌でも使わない限り進退窮まる。
しかも、安倍首相がプーチン大統領と首脳会談をする以上、北方領土問題を取り上げざるを得ない。
そして北方領土問題について安倍首相が一言でも返還要求をすれば、プーチン大統領はたちどころに強烈なカウンターパンチを浴びせてくるに違いない。
シンゾー、何度言ったらわかるのだと。
北方領土問題を返してほしかったら、米軍を北方領土に置かないと約束しろと。
そんな約束が安倍首相に出来る筈がない。
なにしろ日本は日米安保密約によって、米国の望むだけの米軍を、米国が望むあらゆる場所に、米軍が撤退してもいいと考える時まで、許しているからだ。
プーチン大統領の要求に従えばトランプ大統領との関係を損ねることになり、トランプ大統領に従属すれば、プーチン大統領は二度と会ってくれなくなる。
しかもトランプ大統領には今度の安倍首相とプーチン大統領との会談を、懸念を持って見守っているはずだ。
その会談内容については後で必ずトランプ大統領に報告しなければいけない。
安倍首相にとって最悪の首脳会談になると私が書いた理由がここにある。
この期に及んでも安倍首相に忖度するメディアは、今度の安倍・プーチン首脳会談を持ち上げるだろうが、安倍首相にとって最悪の首脳会談になるのだ。
ひょっとして、安倍外交は進退窮まる事になるかもしれない。
臨時国会冒頭の解散・総選挙は、加計疑惑だけではなく、外交の行き詰まりからも、避けられないのかもしれない(了)
Comment On Facebook