米イージス艦とフィリピン国籍のコンテナ船が静岡県・伊豆半島沖で衝突したのは6月中旬だった。
それから一か月以上たったというのに、事故原因について我々は何も知らされなかった。
ところが、きょう7月23日の各紙が一斉に報じた。
あの衝突はイージス艦側による複数の過失と対応の不備によって引き起こされたとみられると。
それらの記事をよく読むと、書きぶりはどれも同じ記事だ。
無理もない。
日本の各紙が一斉に報じた内容は、米テレビCNNが21日に流した報道内容をそのまま引用しているからだ。
ここに、この国の主権のなさが見事に見て取れる。
いやしくも日本の領海内で起きた大事故だ。
衝突されたのはフィリピン国籍のコンテナ船といっても、日本郵船が雇った船だ。
米軍艦船による衝突は、これまでも日本の漁船などがたびたび被害にあっていることから、他人事では済まされないはずだ。
それなのに、一か月以上たっても事故究明が全くなされない。
それは米軍に対する調査権が日本にないからだ。
それでも、日本のメディアが日本国民のためを思って事故究明に向けてまじめに調査報道するつもりがあったなら、日米両政府や在日米軍、海上保安庁などを取材して、その後の調査状況について記事に出来たはずだ。
しかし、まったくそのニュースがないまま、一か月が過ぎた。
そして、いきなり米イージス艦側の過失だったと報道する。
臆面もなくCNNニュースがそう伝えたと報じる。
この国は、政府はもとよりメディアまでも、米軍に対する主権放棄が当たり前のようになってしまったごとくである。
まともな日米関係が築けるはずがない(了)
Comment On Facebook