いまから2年ほど前の2015年4月28日、安倍首相は米上下院合同議会で日本の首相としてはじめての演説をした。
私はその時驚いた。
なぜ安倍首相はそのような光栄な待遇が得られたのかと。
歴史認識の危うさを米国議会から警戒されていると言うのにである。
そして、私はその演説が、米国のユダヤ系議員の助けを借りて実現した事を知って納得した。
それほど米国政治におけるユダヤ系議員の影響力は大きいということだ。
それから2年たち、安倍首相のイスラエルへの傾斜はこれまでのどの首相よりも際立っている。
その事は、連休中の安倍内閣の閣僚外遊にも表れている。
5月4日の朝日新聞が一段の小さな記事で書いた。
世耕経済産業相は3日、イスラエルのコーヘン経済産業相とエルサレムで会談し、サイバーセキュアリティー分野で協力を強化することで合意したと。
2020年東京五輪を控え、先端技術を持つイスラエルと官民を挙げて連携を加速させるという。
そう思ったら、今度は鶴保庸介科学技術相だ。
5月5日の日経新聞が、やはり一段の小さな記事で報じた。
鶴保科学技術相は4日、訪問先のイスラエルでアクニス科学技術宇宙相と会談したと。
両国の研究者が最新の研究情報を持ち寄るなどの協力を検討する会議を2017年中に開催することで合意にしたと。
この二つに共通するものがある。
それはいずれもイスラエルとの軍事協力を日本が強化するということだ。
武器輸出、開発は言うまでもない。
憲法9条の精神からすればこれは危険な傾斜だ。
日本の中東政策も、もはや中立ではいられない。
しかし、安倍政権にとってはイスラエルへの傾斜はこの上ない援護になる。
安倍首相が強気でいられる理由の一つがここにある(了)
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